50cm SL前後になる。コチ科の魚の中でも大型。体は細長く、頭部が大きく吻が長い。取り分け目から前方が長い。目の後ろに深いくぼみがある。
エンマゴチの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目コチ亜目コチ科エンマゴチ属外国名
学名
Cymbacephalus beauforti (Knapp,1973)漢字・学名由来
漢字 閻魔鯒 Standard Japanese name / Enmagoti
由来・語源 頭部、顔がいかめしいためか。『日本産魚類検索 全種の同定』(中坊徹次編 東海大学出版会 1993)に新称とある。地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。水深8m以下の藻場やマングローブ域の砂地、珊瑚礁の砂地。通常2-3mの浅場にいる。
山口県日本海沿岸、八丈島、琉球列島。
台湾南部、フィリピン諸島中部、カリマンタン東岸、モルッカ諸島、パラオ諸島。ニューギニア島南島岸、ニューカレドニア。生態
ー基本情報
主に亜熱帯・熱帯域のサンゴ礁の浅場に生息する大形のコチ。漁業的には沖縄の魚で、本州などに流通したことはない。沖縄県ではくせのない白身で人気がある。
珍魚度 沖縄県では食用魚であるが、本州などでは水揚げがない。沖縄まで探しに行く必要がある。水産基本情報
市場での評価 主に沖縄県で流通する。やや高値。
漁法 刺突漁
産地 沖縄県選び方
触って張りのあるもの。味わい
旬は不明。
鱗はやや硬めで取りにくい。特に砂ずり(腹部)の鱗が取りにくい。骨は硬い。
透明感のある白身で熱を通しても硬く締まらない。
料理の方向性見た目以上にたっぷりと大量の白身がとれ、刺身は絶品。皮は厚みがあるがゼラチン質でうま味がある。煮ると煮こごりが出来る。熱を通しても硬く締まらない。白身のうまさが堪能できる。汁にしてもいいだしが出て、身・皮ともに美味。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
エンマゴチの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、カルパッチョ、昆布締め)、焼く(酒塩焼き、塩焼き)、汁(みそ汁、鍋)、煮つけ、ソテー(バター焼き)、フライクリックで閉じます
エンマゴチの薄造り 熱帯域に多い魚なので脂はさほど乗っていないが、筋肉が発達しているので、身がしまっている。
水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取る。皮を引いて薄く切りつける。
非常に身が締まっていて薄作りにして正解だった。脂よりもうま味成分を感じる。
エンマゴチの煮つけ 水洗いをして三枚に下ろし刺身などを作った後の頭部を煮つけてみた。思った以上に身が付着していて、しかも身離れがいい。なんといっても皮がおいしい。煮るとはじけてしまうが、それをていねいに箸でつまんで食べると最高かも。頬の身、かまの身などにもおいしさと甘味がある。クリックで閉じますエンマゴチの魚汁(みそ汁) 水洗いして三枚に下ろして刺身などにした残りをみそ汁にする。沖縄県の魚汁である。あらなどを適当に切り湯通しする。冷水に落とし水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。昆布だしで煮だしてもおいしい。ご飯にも合う。クリックで閉じますエンマゴチのまーす煮 頭部にもたっぷり身がついている。また、いいだしが出る部分なので、もっとも単純な煮つけ方である「まーす煮」にする。少量の塩水で短時間に煮上げていく。煮るほどい皮がはじけてくるのは身がふんわりとふくらんでくるためだ。身をせせり、煮汁に浸しながら食べるのがたまらなくいい。うまみをたっぷりしみこませた豆腐の味も素晴らしい。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/河村雄太さん(沖縄県石垣市)、崎原さしみ店(沖縄県石垣市)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)