14cm SH 前後になる。あまり膨らまず、殻頂角は小さい。前の耳は後ろの耳よりも大きい。全体に無数の細い肋があり、4〜5本の太い放射肋がある。
エゾギンチャクの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
軟体動物門二枚貝綱翼形亜綱イタヤガイ目イタヤガイ上科イタヤガイ科カミオニシキ亜科Swiftopecten属外国名
学名
Swiftopecten swiftii (Bernardi.1858)漢字・学名由来
漢字 蝦夷巾着貝 Ezokinchakugai
由来 岩川友太郎の命名。イタヤガイ科のキンチャクガイに似て北方に産する。
本来、エゾギンチャクであったものが、最近の図鑑ではエゾキンチャクに変わっている。また波部忠重はエゾキンチャクガイとしている。
『日本近海産貝類図鑑 第二版』(奥谷喬司編著 東海大学出版局 20170130)では解説では、エゾギンチャク、図版ではエゾキンチャクと明らかに校正ミスをしている。
我がサイトでは『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局) にしたがいエゾギンチャクとした。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。水深50mよりも浅場の岩場、砂礫。
東北以北。日本海北部、北西太平洋。生態
ー基本情報
主に北海道でとれる大型の二枚貝。貝柱がホタテガイ同様に大きく味がいい。
べて天然もので、とれる量が一定しないので、産地でも認知度は低い。
珍魚度 北海道などで揚がる食用貝だが、漁が不安定なのであまり流通しない。水産基本情報
市場での評価 入荷は希。やや高価。
漁法 底曳き網
産地 北海道選び方
原則的に生きているもの。貝柱が太いもの。味わい
旬は不明。
貝殻は硬く、やや重い。軟体、特に貝柱は大きく歩留まりがいい。
帆立よりも泥質のところにいるためか、汚れている個体がいるので要注意。
ウロ(中腸腺)のカドミウムなどの含有量は不明だが、ホタテガイと同様に食べない方がいいと思っている。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
エゾギンチャクの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、ひも刺身)、ソテー(バター焼き)、揚げる(フライ)、焼く(焼き貝)クリックで閉じますエゾキンチャクガイの刺身
エゾギンチャクの刺身 貝柱が大きく柔らかいのはホタテと同じ。貝柱の大きさは少し小さいものの味は濃い。
むいて貝柱をとりだし、ひも、鰓、うろ(黒緑色の部分)を取り、貝柱だけにする。付着したぬめりなどを取り去って、筋の硬い部分を取る。水分をよくきり厚みを三等分くらいに切る。
均質な身質で甘味とうま味が豊かである。食べた後にほどよい味わいが残るのが心地よい。
エゾギンチャクのひも刺身 本種で食用となるのは貝柱とひもと生殖巣である。ひもは太く長いので、これを食べるか食べないかは大きい。すり鉢などに入れてもみ、塩で仕上げもみをしてぬめりと取ると刺身になる。このひもの刺身は貝柱以上に魅力的だと思っている。クリックで閉じますエゾキンチャクガイのひもの刺身
エゾギンチャクのバター焼き 剥き身にしてウロ(肝膵臓)を取る。ひもや生殖巣の皮膜などを塩水のなかでていねいに汚れを落として水分を切る。食べやすい大きさに切り、塩コショウしてバターでさっとソテーする。熱を通しすぎると硬くなる。甘味豊かな味わいがバターと相まって非常においしい。クリックで閉じますエゾキンチャクガイのバター焼き
エゾギンチャクのフライ ほぼ利用法はホタテガイと同じである。貝柱を取りだし、塩水などで洗う。水分をよくきり塩コショウして小麦粉をまぶし、溶き卵を潜らせて、パン粉をつけて高温で短時間で揚げる。熱を通しても硬く締まらす豊潤である。揚げることで外は香ばしく、中のうま味、甘味が凝縮される。クリックで閉じますエゾキンチャクガイのフライ
好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『日本近海産貝類図鑑 第二版』(奥谷喬司編著 東海大学出版局 20170130)