サメを生で食べる食文化のある地域

一般的に、普通に、サメを刺身で食べる地域は少ない


分類学的にはサメ区になる、サメを食べる地域は全国に散らばっているが、刺身でたべる地域は非常に狭い。
地域地域で小集団、個人的に食べている地域は数知れずあるが、刺身用として表示されスーパーなどに普通に並んでいる(流通する)地域は国内でも非常に希なのだと思っている。
生で食べるサメとして一般的なものはアオザメ、ネズミザメの2種しか確認していない。
確認次第、種と地域を増やしていきたい。
国内
新潟県上越市・妙高市 「ふかざめのぬた」。この地域では鮮度のいい「ふかざめ(ネズミザメ)」を刺身状に切り、酢みそで食べる。表面を霜降り状にする人もいるが、スーパーなどの表示、「ぬた用」は生食を意味する。
岐阜県飛騨地方この地方では塩蔵品である、「塩もーか」、「塩さわら」を主に食べている。ただ宮城県から生ぼた(生の塊)で来たものは刺身にしても食べていた。生をフライ、煮つけなどにもする。
島根県奥出雲 「わに刺身」。2024年現在でも売られている。
広島県備北地域の庄原市、三次市 「わに刺身」。
写真は広島県三次市の「いらぎわにの刺身」。「いらぎ」とはアオザメのことだ。

三次市では「あかかせ」がいちばん好まれた


民俗学的に研究した矢野憲一が広島県備北地方三次市においてのサメの販売、食味に関して述べている。
〈私が訪れた十月はこの地方の秋まつりのシーズンで、「三次カジキ」という名でサメの特売がなされていたし、魚屋にはシュモクザメやオナガザメ、アオザメが山と積まれていた。……一番人気があるのはカセ(シュモクザメ)で、カセの中でもアカカセ(アカシュモクザメ)、つぎがイラギ(アオザメ)である〉
『ものと人間との文化史 鮫』(矢野憲一 法政大学出版局 1979)


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