ヒメジンドウイカ(Kobi squid)

Scientific Name / Loliolus (Nipponololigo) sumatrensis (Orbigny, 1835)

ヒメジンドウイカの形態写真

外套長(頭に見える部分)9cm前後でジンドウイカよりも小型。ひれ(耳)は外套長の60%以上。触腕大吸盤角質環に歯がない。
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外套長(頭に見える部分)9cm前後でジンドウイカよりも小型。ひれ(耳)は外套長の60%以上。触腕大吸盤角質環に歯がない。外套長(頭に見える部分)9cm前後でジンドウイカよりも小型。ひれ(耳)は外套長の60%以上。触腕大吸盤角質環に歯がない。
  • 魚貝の物知り度 食べ物としての重要度 味の評価度

    ★★★★★

    知っていたら学者級

    ★★

    地域的、嗜好品的なもの

    ★★★★

    非常に美味
    分類
    軟体動物門頭足綱鞘形亜綱十脚形上目ツツイカ目閉眼亜目ヤリイカ科ジンドウイカ属
    外国名
    Kobi squid
    学名
    Loliolus (Nipponololigo) sumatrensis (Orbigny, 1835)
    漢字・学名由来
    漢字 姫神頭烏賊、姫磁頭烏賊。
    由来・語源 ジンドウイカよりも小型(姫には小さいという意味合いがある)という意味合い。
    ジンドウイカについて
    和漢三才図絵/佐々木 望(マドカ)博士は日本産頭足類を精査されたが、和名を与えることは極めて 少なく、各地呼称を記した程度だった。同氏は Loligo japonica に対してジンドウイカの和名を与えられたが、何処の方言かは、私は知らない。 “ジンドウ”を辞書で見ると結局、寺島良安の『和漢三才図絵(正徳 2 年;1712)』の項を写したものと見える。“細かい竹を編み、河の中に立てゝ魚を追い入れて捕らえるもの”と あって、Loligo の外套の形が之に似ているから起こったものであろうかと想像する。『夢蛤』
    じんどう/矢の先の部分、鏃(やじり)の形のひとつ、「神頭」に似ているからではないか? 「神頭」は木で作られて平たい。
    地方名・市場名 [?]
    ダルマ
    参考荷 場所兵庫県淡路島沼島 
    生息域
    海水生。内湾。
    本州中部〜東シナ海。南シナ海、台湾。
    生態
    基本情報
    小イカ(ヒイカ)には千葉県銚子や茨城県で外套長が12cm以上になるものと、瀬戸内海、九州などで揚がる外套長10cm前後にしかならないものがある。前者はジンドウイカ、後者はほとんどがヒメジンドウイカだ。
    ここで撮影した画像は兵庫県明石市と淡路島で揚がった固体で明らかにヒメジンドウイカである。
    産卵期である夏に群れをつくり、まとまってとれる。味はジンドウイカと同様に非常においしく、しかも安い。
    水産基本情報
    市場での評価 主に西日本で消費されている。安い。
    漁法 底曳き網
    産地 兵庫県、岡山県、徳島県
    選び方
    透明感のあるものか、褐色の強いもの。時間がたつと白濁する。
    味わい
    旬は夏。
    非常に小振りで、やや水分が多く、柔らかい。皮は取りやすい。
    熱を通しすぎると強く締まる。
    栄養
    寄生虫
    食べ方・料理法・作り方
    ヒメジンドウイカの料理法・調理法・食べ方/生食(あぶり、ゆびき、づけ)、煮る(ゆでる、煮る)、揚げる(かき揚げ)、汁(タイ風スープ)

    ヒメジンドウイカのあぶり 胴の部分の表面をあぶり、急速冷凍庫などで粗熱を取る。表皮が落ち着いたら外套膜に対して斜めに切る。中心部分は生でイカらしい甘味があり、表面は焼いた香ばしさが感じられる。細かくて面倒であるがとても美味。

    ヒメジンドウイカの塩漬け 水洗い、墨、わたなどを取る。水分をよく取り、外套膜を斜め縦方向に切る。再度水分をよく切り、塩に漬け込む。今回は三重県尾鷲市の虎の尾(青唐辛子)を一緒に漬け込む。一味でもいいし、しょうがでもいい。約1日寝かせると食べられる。柑橘類がとても合う。
    ヒメジンドウイカの醤油漬け 外套膜(胴)だけにする。水分をよく切り、外套膜に対して斜め縦方向に切る。再度水分をきり、醤油に漬け込む。ここでは甘い長崎県平戸市のものを使ったが、関東などのものはみりんを加えてもいい。食べるときミョウガなどを加えるとさっぱりする。ご飯にのせて、またお茶漬けにしてもいい。
    ヒメジンドウイカのげそのかき揚げ げそを集めて置く。水分をよくきり、包丁でとんとんとたたき繊維を傷める。再度水分をペーパータオルなどで取る。好みの野菜と合わせ、小麦粉をまぶして衣をからめて短時間強火で揚げる。イカのうま味が強く出て、味わい深く、非常に美味。
    ヒメジンドウイカの煮つけ 水洗いしてワタと墨を取る。げそを外套膜(胴)に詰め込んで、酒・砂糖・醤油・水を煮立てたなかで短時間煮上げる。水分が多いので縮むが硬くならない。身に甘みがあり非常に美味。ご飯に合う。
    ヒメジンドウイカの塩ゆでできゅうりもみ 水洗いしてワタと墨を取り除く。げそと胴を分けておく。両方使ってもいいし、げそだけでもいい。塩ゆでして陸上げ(ザルなどに上げ)、団扇などで冷ます。これを小分けにして冷凍保存するといい。ここではきゅうりもみに使った。
    ヒメジンドウイカのぽんぽん焼き(丸焼き) 軽くさっと洗って、水分をよくきる。振り塩をしてもいいし、しなくてもいい。単純に丸焼きにする。ワタや墨は煩わしいがうま味が逃げることなく、イカ一尾丸ごと味わえる。
    ヒメジンドウイカの真子・白子焼き 抱卵・白子している固体のげそを取り、開いてワタと墨を抜く。水分をよくきり、真子・白子を上にして上下の火で短時間焼き上げる。ここでは振り塩をしないで、ショウガ醤油を垂らして食べたが、実に味わい深い。
    ヒメジンドウイカのタイ風スープ 水洗いしてワタ、墨を取る。水分をよく切り、適当に切る。水に少量のナンプラー、コブミカンの葉(なければレモン汁、ライム汁でも)、カー(しょうがでもいい)を加えてアクを引きながら煮る。塩加減をして出来上がり。青唐辛子を利かせて辛く仕立てるのがいい。
    好んで食べる地域・名物料理
    加工品・名産品
    釣り情報
    歴史・ことわざ・雑学など
    参考文献・協力
    協力/上田幸男さん(徳島県)
    『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『世界イカ類図鑑2005』(全国いか加工業協同組合)、『瀬戸内海中央部における小型底びき網で漁獲されるジンドウイカ類の種組成と漁獲量』(山本昌幸、夏苅豊)
  • 主食材として「ヒメジンドウイカ」を使用したレシピ一覧

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