20センチ前後になる。体高が低く細長く背は暗色で腹部はやや明るい色合いをしている。尾鰭は円形、口ひげは5対。[栃木県那珂川町]
ドジョウの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
![20センチ前後になる。体高が低く細長く背は暗色で腹部はやや明るい色合いをしている。尾鰭は円形、口ひげは5対。[栃木県那珂川町]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/119/Thumb630/dojou_1.jpg)
![20センチ前後になる。体高が低く細長く背は暗色で腹部はやや明るい色合いをしている。尾鰭は円形、口ひげは5対。[滋賀県高島市朽木]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/119/Thumb630/2014050521228.jpg)
![20センチ前後になる。体高が低く細長く背は暗色で腹部はやや明るい色合いをしている。尾鰭は円形、口ひげは5対。[アルビノ 東京都浅川]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/119/Thumb630/20010609820.jpg)
![20センチ前後になる。体高が低く細長く背は暗色で腹部はやや明るい色合いをしている。尾鰭は円形、口ひげは5対。[埼玉県寄居町]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/119/Thumb630/20090114829.jpg)
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珍魚度・珍しさ
★★
少し努力すれば手に入る魚貝の物知り度
★
知らなきゃ恥食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区ニシン・骨鰾下区骨鰾系コイ目ドジョウ科ドジョウ属外国名
学名
Misgurnus anguillicaudatus (Cantor,1842)漢字・学名由来
漢字 泥鰌 鯲 Dojou
由来・語源 一般名から。古く、泥から生ずるものと考えられていたためか。
『魚鑑』(武井周作 天保辛卯 1831)には鯲、泥鰌(でいしう)。
土の中で生きているので「土生」
中国語の「泥鰌」、「泥鰍」に由来する。
和漢三才図絵「常に元気に動く魚であるから“動酋”という」。
大言海「泥津魚の義なり、泥の中にてチョロチョリするより起きたる呼び名」。地方名・市場名
生息域
淡水魚。平野部の浅い池沼、田や用水路、流れのあまりない河川。
北海道〜琉球列島。
サハリン、アムール川から北ベトナム、朝鮮半島、台湾、海南島、ブルマのイラワジ川。生態
河川の本流などには少なく、いてもよどみの沼っぽい場所。主に田や水路などに多い。
食性は動植物プランクトン、イトミミズなど。
田や泥っぽい場所で生息するので鰓(えら)、皮膚(ひふ)呼吸のほか、腸でも呼吸する。
産卵期は4月から8月。
雌(めす)の方が雄(おす)よりも多い。雌の比率が高い。
雌(めす)の方が雄(おす)よりもやや大きい。基本情報
古くはどこにでもいた淡水魚であって、味の良さから各地で食用となっていた。
柳川鍋、丸鍋など知名度の高い伝統料理があり、東京などでは老舗のドジョウ屋が何軒かある。
金沢ではもっぱら蒲焼きになり、新潟の夏には柳川鍋がなくてはならない。
それが淡水域の乱開発と、農薬のために激減。
養殖が行われるようになるくらい高級なものとなった。
それでも需要を満たせない状況なので最近では流通の主流は中国、台湾などからの輸入物になっている。水産基本情報
市場での評価 中国、台湾などからの輸入物が多い。青森県など東北、また北海道などの国産ものは高値となっている。
漁法 養殖が主流。筌(せん)という竹などで作ったカゴ状の道具で待ち受けてとる。手網ですくう。冬季には田で掘り取る。選び方
原則的に生きているもの。割いたものなどは血液の赤いもの。全体が黒いもので、退色していないもの。味わい
栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ドジョウの料理・レシピ・食べ方/煮る(鍋、煮つけ)、汁(みそ仕立て。しょうゆ仕立て)、揚げる(唐揚げ)、焼く(蒲焼き)クリックで閉じますどじょう鍋
ドジョウのさき鍋 名古屋市で裂いたものを購入して作ったもの。大きな魚屋さんやデパートなどではときどき売られているので、挑戦して欲しい。地はみりん、酒、砂糖少量、水の単純なもの。たっぷりのねぎで食べると非常にうまい。夏の味だ。
どじょうのみそ汁 ぬめりとりをしたドジョウを水から煮て、みそを溶き軟らかくなるまで煮る。仕上げにねぎを加えて出来上がり。ドジョウは頭部を箸でつまんで身をしごくように食べる。少量の土壌だとだしが出ないのでカツオ節だしを使ってもいい。また頭部もそれほど硬くないので、そのまま食べてもうまい。クリックで閉じますどじょうのみそ汁
どじょう汁しょうゆ仕立て ぬめり取りをしたドジョウを水からアクを取りながら煮て、酒を加えてまた煮る。ここにしょうゆと塩で味つけしたもの。卵と相性がいいので、溶き卵を入れるとなお美味。青みはここではニラを使ったがお好みで。クリックで閉じますどじょう汁
好んで食べる地域・名物料理
柳川鍋・骨抜き鰌鍋の起源 〈文政初年(1818〜1831年の初めの頃)比(ころ)、江戸南伝馬町三丁目の裡店な(うらだな)で万屋某と云う者、鰌を裂きて骨首および臓腑を去り、鍋煮にして売る。その後天保初め(1831〜1845年の初め)比、横山同朋町(現中央区東日本橋)にて、これも裡店住の四畳ばかりの所を客席として売り始め、屋号を柳川と云う〉
舞子丼 柳川をのせたものや、蒲焼き風にしたものなどをご飯にのせた丼物。東京都内各所で食べられる。
どじょう汁 夏に作る汁。酒でおとなしくさせたドジョウをなすと炒めて、だしを加えてごぼう、豆腐などを加えて汁にする。[山形県鶴岡市]
どじょうのころいり(どじょうのいりころ) ドジョウとねぎ、ごぼうを油で炒めたもの。[いこい食堂 香川県さぬき市]
鰌汁(泥鰌汁) みそ仕立ての汁で「長崎くんち」の食膳に必ず出されるもの。「そぎたる牛蒡と泥鰌を丸煮にしたるを麦味噌でだすなり」『長崎学・續食の文化史』(越中哲也 長崎純心大学博物館)
蒲焼き 数尾を筏状に串刺しにして焼いてタレをつけた。[愛知県豊田市足助]新潟市では土用丑の日に柳川を食べる 新潟市の市場には土用丑の日に地元産のドジョウを裂いたものが並ぶ。土用丑の日に柳川を食べる風習があるためだ。旧蒲原郡西部が広い湿地帯(潟)であった時たくさんドジョウがとれたためだ。新潟市など潟に開けた町ではドジョウはもっともなじみ深い食べ物だったのだ。今やドジョウをとっている問屋は減っているが、地元でのドジョウの漁は続いている。クリックで閉じます
ドジョウの丸鍋 江戸(東京)の郷土料理ともいえそうなもの。さき鍋(開いたものを鍋にしたもの)よりも食べやすい。「どじょう」というだけで敬遠する人もいるが、一度食べてみるとその味の虜になる人は多い。近年、老舗は健在だが、小さな個人経営の店が少なくなっていて残念だ。クリックで閉じますどじょうの丸鍋
どじょうのさき鍋 さいたドジョウを生の状態から煮ながら食べるもの。初夏の卵が魅力的。丸鍋よりもドジョウ本来のうまさが楽しめる。東京だけではなく名古屋でも食べられている。クリックで閉じますどじょうのさき鍋
加工品・名産品
釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ドジョウの蒲焼きの起源 二十六聖人記念館の結城了悟神父の話に「イギリス人が英文で金沢を紹介している本の中に、明治3年長崎浦上のキリシタンの人達が、何の罪もなく、ただ信仰が違うという理由で金沢の町はずれにながされてきた、というくだりがある。この浦上の信徒たちが金沢の人々にドジョウ料理を教え、今ではドジョウの蒲焼きは金沢の市場の名物になっている」。
泥鰌汁 川魚はいつでもとれるので、泥鰌汁蜷汁はたびたび作った。『能義奥の民俗』(畑伝之助 島根県文化財愛護協会 1967)参考文献・協力
『魚類学 下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)、『日本の淡水魚』(川那部浩哉、水野信彦 編・監修 山と渓谷社)、『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)、『たべもの起源事典』(岡田哲 東京堂出版)、『魚と貝の事典』(望月賢二 柏書房)、広辞苑、『長崎学・續食の文化史』(越中哲也 長崎純心大学博物館)、『つるおかおうち御膳』(鶴岡市食教育・地産地消推進協議会 鶴岡市)地方名・市場名 ?