40mm SL 前後になる。コシダカガンガラと比べるとのっぽで螺層は粗く刻まれる。貝の底すべすべしていなくて白地に荒い螺肋の渦巻き状の模様がある。
オオコシダカガンガラの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
軟体動物門腹足綱前鰓亜綱古腹足亜綱ニシキウズガイ目ニシキウズガイ上科リュウテン科クボガイ亜科クボガイ属外国名
学名
Tegula pfeifferi carpenteri (Dunker, 1882)漢字・学名由来
漢字/大腰高岩殻 Ookosidakaganngara
由来・語源/バテイラの亜種。平瀬與一郎の命名。コシダカガンガラよりも大きいという意味。「がんがら」はまるで岩のかけらのようだから。「こしだか」は殻高がある。吉良哲明はオオガンガラという和名をつけている。
腰高岩(コシダカガンガラ)は『渚の丹敷』から。体層(腰)が高い(大きい)岩石に似た貝という意味。
Omphalius pfeifferi carpenteri (Dunker,1882)→Tegula argyrostoma (Gmelin, 1791)Dunker
Wilhelm Dunker(ヴィルヘルム・ドゥンケル 1809-1885)。ドイツの動物学者。ヒラサザエ、レイシガイ、オオマテガイなど国内で普通に見られる多くの貝類を記載した。
渚の丹敷
曾永年(そうながとし。曾占春)著。曾永年は本草学者、医者。『渚の丹敷』は享和3年(1803年)、全2巻。123項、540品。付録54品を載せる。通称を占春といい、薩摩藩藩主、島津重豪の秘書も務めた。
平瀬與一郎
hirasei, hiraseana, Neohirasea(平瀬與一郎 安政6-大正14 1859-1925 兵庫県淡路島福良)。京都で『平瀬商店(平瀬種禽園)』をいとなみ標本、特に貝殻を商い海外に輸出。貝類学の嚆矢。同郷の黒田徳米は同商店で丁稚をしながら貝類学を学ぶ。地方名・市場名
生息域
海水生。潮間帯〜水深20mの岩礁域。
北海道南部〜九州西岸の日本海。太平洋側にはいない。生態
ー基本情報
日本海を代表する磯の巻き貝。太平洋側にはいないとされているが三重県にそっくりなものが生息する。
採取されて流通にものり、産地周辺で売り買いされている。
磯の香りと、貝らしいうま味が豊かでおいしい。
一般にこのような磯の小型の巻き貝は何種類かが混ざって流通する。水産基本情報
市場での評価 流通は希。やや高値。
漁法 採取
産地 長崎県選び方
原則的に生きているもの。味わい
旬は春。
貝殻は厚く、口はあまり大きくない。身は取り出しにくい。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
好んで食べる地域・名物料理
ぐっちょの味噌汁 「ぐっちょ」はオオコシダカガンガラとコシダカガンガラの総称。水から煮出してみそ汁にする。[『四季の料理 飛島に伝わる郷土料理Ⅱ』(酒田市農林水産課)]
したなみのみそ汁 「したなみ」はコシダカガンガラ、オオコシダカガンガラ、イシダタミなどの総称。これを夏にみそ汁にする。[『つるおかおうち御膳』(鶴岡市食教育・地産地消推進協議会 鶴岡市)]加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)、『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)、『日本語源大辞典』(小学館)、『つるおかおうち御膳』(鶴岡市食教育・地産地消推進協議会 鶴岡市)