利用されないミニな魚の丸干しがすこぶるウマシ

人手さえあれば未利用とはならないウマスギ小魚たち


6月7日早朝、神奈川県小田原市、小田原魚市場、二宮定置はたいへんだった。
水揚げされた魚にたくさんのマイワシの破片が混ざっており、しかも小型の魚がわんさかあった。
この小型の魚の大部分は直接人間の口に入らないという点で未利用魚である。ちなみに未利用魚という言語は曖昧すぎる。こんな曖昧な定義では未利用魚の活用は推進できない。
選別すれば売れなくはない。これをなんとか選別できないかと考える人は漁業を知らないか、もしくは斬新なアイデアをもっている人かだ。ていねいに選別してもお金にならないし、過重労働を漁師に強いることになる。国はコンクリートよりも人にお金を使っていかなければならない。
さて、体長10cm前後で、ウルメイワシ、カタクチイワシ、マイワシ、+タカベだった。
タカベは二宮定置の若い衆がちょんと投げてくれたものだ。


小さなバケツ半分くらいなので面倒なことはしていられない。ざっと汚れを落として、立て塩に5分。たぶん普通なら7、8分だと思う。
これを扇風機で干し上げる。
約12時間でほぼ完成する。
さて、味の順位は、後々のこととして。

カタクチイワシは見た目的には痩せすぎ、かな


カタクチイワシはただでさえほっそりしているのが、余計に干し長くなる。
見た目的には商品価値がない。

いちばん咀嚼力を要す


小さいので鉄鍋で煎りつけるように熱を通したが、枯れた味わいだった。
噛めば噛むほどうま味が出てくる。おいしすぎて止まらなくなる。
冷凍保存して最後の1尾まで食べ尽くした。

ほれぼれするような干し上がり


ウルメイワシは最上級の干し上がりだった。見た目がとてもきれいである。

いつもの味でいつもおいしい


鉄鍋でいって食べたら、枯れた味わいにニシン目特有の豊かな味わいがある。
丸干しの代表格がウルメイワシとされるわけを痛感した。

干し上がりはいちばん遅かった


マイワシは干すのに他の2種以上に時間がかかった。干し上がりは少しくすんだ色になる。

この奥深い味が好きか、嫌いか、に分かれそう


これも鉄鍋で煎りつけてみた。
少し重い味わいである。内臓に苦味とこくがある。
身は3種の中でいちばん柔らかく、味わいの量が多い(変な表現だが)。
いちばん手前はタカベ。

競馬をやったことがないけどタカベは、これぞ大穴というのかも


タカベは2個体しかなかった。熱を通した写真ではマイワシと一緒になっているのでわかりにくいかも。
実はタカベの小型を食べたことがなかった。こんな人生に於ける大失態があるのか、と後悔する以上に泣けてきた。
なんと今回の干ものの中でいちばんうまいじゃ、ありませんか。
ということで丸干しの順位は、タカベ、ウルメイワシ、3位はマイワシとカタクチイワシだと考えた。
きっと次回は順位が変わると思うけど、小型の魚の、未知の世界に踏み込んだ気分。
ちなみにあくまでもボクの舌が感じたことだ。
二宮定置のみなさんには大いに感謝!


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