体長1mを遙かに超える。尾鰭がない。口が大きく歯は犬歯状で鋭い。腹鰭はなく、尻鰭は棘状だが埋没していて見えない。タチウオよりも体高がある。鮮度のよいとき背鰭は青みがかった黄色で、目も黄色い。口床は淡いいろで少し黄色みがかる。[93cm TL・888g]
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![体長1mを遙かに超える。尾鰭がない。口が大きく歯は犬歯状で鋭い。腹鰭はなく、尻鰭は棘状だが埋没していて見えない。タチウオよりも体高がある。鮮度のよいとき背鰭は青みがかった黄色で、目も黄色い。口床は淡いいろで少し黄色みがかる。[93cm TL・888g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/485/Thumb630/20241031791.jpg)


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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目サバ亜目タチウオ科タチウオ属外国名
学名
Trichiurus sp2漢字・学名由来
漢字 天竺太刀 Standard Japanese name / Tenjikutachi
由来・語源 タチウオよりも天竺(熱帯域)にいるの意。
学名がついていない。タチウオの記載者がリンネだからではないかと思う。地方名・市場名 ?
生息域
生態
ー基本情報
正確な生息域は不明である。国内では相模湾以南で見られる。九州などでは明らかに水揚げ量が増えていて、食用魚としての存在感が強くなってきている。タチウオとして入荷してくる荷(発泡の箱)全部がテンジクタチであったりもする。当然、スーパーなどでも表示もタチウオである。
値段的にはタチウオとまったく同じで、また評価も非常に高い。
珍魚度 じょじょに手に入れやすくなってきている。丸のままで見るのは難しいが関東ではタチウオと区別しないでスーパーに並んでいたりする。水産基本情報
選び方
触って張りのあるもの。目が澄んでいるもの。鰓が赤いもの。背鰭の青みがかった黄色の強いもの。銀箔が輝いているなどは直接的に鮮度とは関わりがない。味わい
旬は不明。
鱗はなく銀箔ははげにくい。大型が多いので皮は硬く強い。骨は細いが硬い。
透明感のある白身で、透明感が長続きする。身割れしやすい。熱を通しても硬く締まらない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
テンジクタチの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、焼霜造り)、焼く(塩焼き、照り焼き、真子塩焼き)、ソテー(ムニエル)、揚げる(フライ、唐揚げ)、煮る(煮つけ)、汁(潮汁、みそ汁)クリックで閉じます
テンジクタチの刺身 皮は厚みがあって引きにくいので、最近では焼霜造り(あぶり)にすることが多い。端的にうまいが、身自体のおいしさよりも皮の味に気を取られがちである。身のうまさをストレートに味わうなら刺身の方が上だ。
身は硬く締まっていて食感が心地よく、うま味がとても豊か。インパクトの強いうまさが堪能出来る。
水洗いして三枚に下ろす。腹骨を取り、皮を引きそぎ切りにする。
テンジクタチの焼霜造り 大型が多く、皮が硬いので霜皮造りよりも焼霜造りに向いている。水洗いし三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取る。皮目を上にしてあぶり、氷水に落とす。水分をきり、皮を落ち着かせるために1時間程度冷蔵庫で寝かせる。皮は焼くと柔らかく、脂が染み出してきてゼラチン質の部分が出来て香ばしく甘みがある。身のうまさも相まって至福の味である。柑橘類がとてもよく合う。クリックで閉じますテンジクタチのタルタル風 皮を引くと身割れして細かくなりやすいので、むしろタルタル風にしてみる。生の身と塩、少量のコショウ、ライムにトマトや玉ねぎ、ハーブ類を合わせる。意外にルッコラが合うが必ず合わせる必要はない。またオリーブオイルを使ってもいい。オリーブオイルを合わせるとワインに、塩と柑橘類だとスピリッツに合う。クリックで閉じますテンジクタチの塩焼き タチウオ類のもっとも基本的な料理法のひとつ。今でも少々お高い料理店に行くと品書きにあるが、値段にビックリしそうである。水洗いして切り身にする。振り塩をして1時間以上置く。これをじっくりと焼き上げる。身は軟らかくふっくらし、脂と一緒になって半液化したようになる。皮は香ばしい。クリックで閉じますテンジクタチの照り焼き みりん・少量醤油の地に漬け込んで、たれをつけながら焼き上げたものである。塩焼きもいいが、たまには変化をつけたいときにお勧め。水洗いして切り身にする。みりん多めと醤油少量の薄い地に1時間程度つけて、焼き始める。8分通り焼き上がったら漬け地に醤油を加えたたれを漬けながら仕上げる。クリックで閉じますテンジクタチの真子塩焼き 真子(卵巣)はタチウオ同様においしい。生でもいけそうだけど、10月末の真子は焼いてみた。卵粒が柔らかく、甘味とうま味がとても豊かである。焼くと好ましい香りもある。卵巣を取り出して振り塩をする。密閉して半日以上寝かせて焼き上げる。クリックで閉じますテンジクタチの煮つけ タチウオ類全般に言えることだが、煮ると締まるのではなくふっくらと軟らかくなる。熱々の内に食べると練り絹のような舌触りで、こくのある味わい。そのくせ後味が上品なので酒の肴にもご飯のおかずにしてもうまい。水洗いして切り身にする。湯通しして冷水に落として水分をよくきる。これを酒・みりん・醤油・水で煮る。クリックで閉じますテンジクタチのムニエル 水洗いして三枚に下ろす。水分をよくきり、塩コショウし、小麦粉をまぶしてじっくりソテーする。仕上げにバターで風味づけする。脂はあるものの、水分が多いのでじっくり弱火でソテーすると、水分がぬけておいしくなる。皮と皮下にうま味があり、身は柔らかい。全体に脂があるので柔らかく、甘味がある。クリックで閉じますテンジクタチのフライ 非常に水分が多い割りに、脂があるので気にならない。揚げると一度液化して柔らかいながら固まる。これがフライ材料として非常に向いているところだ。三枚に下ろして塩コショウする。小麦粉をまぶし、溶き卵を絡めてパン粉をまぶして揚げる。クリックで閉じますテンジクタチの腹もの唐揚げ 水洗いして内臓を包んでいる薄い部分を適宜に切る。水分をよくきり片栗粉をまぶして少し置く。これを最初は低温でじっくり揚げて取りだし、今度は高温で揚げる。さくっとした歯触りで、身は軟らかくジューシーでとてもおいしい。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)