
SL 25cm前後になる。下顎は上顎よりも前に伸びる。頭部は細長い。第一背鰭棘は7-9本。
シチロウウオの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度 |
食べ物としての重要度 |
味の評価度 |
★★★★★ 知っていたら学者級 |
★ 食用として認知されていない |
★★★ 美味 |
分類 |
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カジカ亜目トクビレ科シチロウウオ属
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外国名 |
Longsnout poacher
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学名 |
Brachyopsis segaliensis (Tilesius, 1813)
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漢字・学名由来 |
漢字 七郎魚
由来・語源 田中茂穂の命名だが、サブロウからの発想かも。
Synonym/Brachyopsis rostratus (Tilesius, 1813) |
地方名・市場名 [?] |
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生息域 |
海水魚。水深110mまでの砂泥地、藻場。
北海道太平洋沿岸、青森県津軽海峡・太平洋、相模湾福浦、新潟県。
朝鮮半島東岸〜間宮海峡の日本海、サハリン西岸、オホーツク海南部・西部、千島列島南部。 |
生態 |
ー |
基本情報 |
2018年6月にはじめて入荷を実見した。それ以前のことは不明。初夏に入荷したものは総てが雌で抱卵していた。 |
水産基本情報 |
市場での評価/関東では1度しか見ていない。安い。
漁法/
産地/北海道 |
選び方 |
色合いの濃いもの。古くなると退色する。 |
味わい |
旬は不明。2018年6月のものは大きな卵巣を抱えていた。産卵期が夏だとすると冬から春かも。
鱗は硬く取れない。皮ごと剥くしかない。ただ焼く、煮るなら取らなくてもいい。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で熱を通しても硬くしまらない。
卵巣は卵粒が大きくなっていたが美味。 |
栄養 |
ー |
寄生虫 |
アニサキス寄生率が高い可能性がある。 |
食べ方・料理法・作り方 |
シチロウウオの料理法/焼く(丸焼き)、煮る(煮つけ、塩漬け真子焼き)、汁(みそ汁)、生食(刺身)、づけ(卵巣しょうゆ漬け・塩漬け)  三郎の塩焼き
シチロウウオの丸焼き 下ろすのが大変。それなら下ろさなければいい。表面の汚れを洗い流して、水分をよくきりじっくりと時間をかけて焼く。中が生焼けには要注意。焼き上がりを頭を折り取って食べる。卵巣はほかほかと甘く、身は少ないが適度にしまって美味。味気なかったらしょうゆ、柑橘類としょうゆなどで食べる。
 七郎魚の煮つけ
シチロウウオの煮つけ 軽く水洗いして頭部と尾を切り取り、内臓を出す。これを砂糖、酒、しょうゆ味で煮る。酒・塩、酒・みりん・しょうゆなど味つけはお好みで。卵巣はやや大きめの卵粒ながら甘味があり、身は締まっていて美味。  七郎魚のみそ汁
シチロウウオのみそ汁 軽く水洗い。頭部と尾を切り取って内臓だけを抜く。これを水から煮出してみそをとく。味わい深いだしが出て来て、うまい汁となる。卵巣もあまさも際立っている。身はわずらわしいが適度にしまっていて美味。  七郎魚の刺身
シチロウウオの刺身 頭を落として卵巣、内臓を取り出してていねいに洗う。この丸の状態で皮を剥く。これを三枚下ろしにして腹骨をやや大きめに切り取る。身は締まってやや硬いがうま味がとても強い。柑橘類が合う。  七郎魚の唐揚げ
シチロウウオの唐揚げ 頭部を切り取り内臓を出す。水分をよく拭き取って片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げする。かなり強く揚げると皮まで香ばしく食べられる。卵巣は抜くこと。  七郎魚真子の塩焼き
シチロウウオの塩漬け焼き 体の大方を卵巣が占める。これを取り出して振り塩をして密閉容器に入れて1日以上寝かせる。これをそのまま食べてもいいし、焼いてもいい。卵粒が大きいので焼くと少しぱさつくが甘味があって美味である。  七郎魚の卵巣の塩漬け
シチロウウオの卵巣の塩漬け 卵巣を取り出して水洗いする。水分をよく切って振り塩をして密閉容器で1日以上寝かせる。時間が立つと塩が慣れてくる。これをこのまま食べる。ほんのり甘くて酒の肴になる。 シチロウウオの卵巣の醤油漬け らんそうを取り出して水洗いする。水分をよく切り、みりん・しょうゆ・酒を合わせたものに漬け込む。1日以上密閉容器で保存する。しょうゆとみりんなどの甘味が加わり、卵粒が大きいのは残念だが美味。 |
好んで食べる地域・名物料理 |
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加工品・名産品 |
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釣り情報 |
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歴史・ことわざ・雑学など |
トクビレ科にはシチロウウオ、サブロウ、シロウ、クマガイウオなど人の名を当てはめたものが多い。田中茂穂の遊び心かも。 |
参考文献・協力 |
協力/磯多紀(東京都築地場内)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会) |
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