33cm SL 前後になる。細長く頭部から第1背鰭にかけて急激に隆起する。全身が骨板で覆われ、六角形の断面の稜線で棘上になる。胸鰭が大きく、頭部は小さく目が突出して細長い。
イヌゴチの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)










-
魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カジカ亜目トクビレ科イヌゴチ属外国名
学名
Percis japonicus (Pallas,1772)漢字・学名由来
漢字 犬鯒 Inugochi
由来・語源 田中茂穂の命名。見た目が犬を思わせるから。
〈頬甲族トクビレ科イヌゴチ属イヌゴチ〉『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)Pallas
Peter Simon Pallas (ペーター・ジーモン・パラス 1741年〜1811年)。ドイツの動物・植物学者で、サンクトペテルブルク科学アカデミーの教授になり主にロシアで研究する。主に冷水域の魚を記載した。ホッケ類、アイナメ類など国内海域にいる多くの魚類を記載。地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。水深19〜750mの砂泥地、礫石地。
北海道全沿岸、新潟県、富山県、兵庫県香住・津居山、島根県隠岐、青森県六ヶ所村、岩手県。
朝鮮半島東岸中部から間宮海峡をへてサハリン西岸・南東岸、オホーツク海、千島列島、カムチャツカ西岸・南東岸、アラスカ湾。生態
産卵期は冬だと思われる。12月の入荷が多く、抱卵している個体がいる。また卵巣が流れ出しているものもある。基本情報
体表のざらざらした感触や模様、棘が鈍いが硬いところ、頭部などまるで怪獣のよう、など不思議な形をしている。北陸、東北以北にいるが主に北海道周辺で水揚げがある。量は少ない。刺し網などで揚がる雑魚のたぐいとみなされているて、ほとんど流通しない。
産地でも外見の悪さ、棘があって下ろしにくいため、利用しない地域は多いようだ。
実際は下ろすのは意外に簡単で、外見に似合わず味がいいのでハッカク(トクビレ)同様人気が出そう。水産基本情報
市場での評価 関東への入荷は希。比較的安い。
漁法 刺し網
産地 北海道選び方
褐色の濃いもの。目が澄んでいるもの。触って張りのあるもの。味わい
旬は冬?
鱗はなく全身が骨板で覆われていて、表面の棘が痛い。まず三枚に下ろす前に鰭を切り取り硬い皮をはぐ。軍手、手袋などをして一気に引きはがす。
白身で脂が混在して白濁している。しっかり硬い身質でほどよい食感がある。熱を通すとしまり、身離れはやや悪い。クセがなくいいだしが出る。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
イヌゴチの料理法・レシピ・食べ方/刺身、焼く(みそ焼き、塩焼き)、煮る(煮つけ)、汁(みそ汁、鍋)イヌゴチのみそ焼き 水洗いして背割りにする。内臓を取り出し、肝を取り分けて置く。開いた身を素焼きにして最後に、肝とみそ、みりん、酒などを合わせたものを乗せて焼き上げる。あまり食べ出があるとは言えないが、手間を惜しまず食べて美味。クリックで閉じますイヌゴチの塩焼き 水洗いして卵巣、肝を分けておく。三枚に下ろして塩を振り1時間程度寝かせて、肝と卵巣を乗せて焼く。焼くとかなりしまり、見た目はやせてよくないが、味はなかなかのもの。おかずというよりも、佳肴といったもので、酒が進むこと間違いなし。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
床の間の飾物 〈食用としての価値はおそらくないことと思われるが、肉少なく、脂肪分も少ないため、乾燥品となって床の間の飾物となっているのを時々見受けることがある。〉『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)参考文献・協力
協力/マリン産業(京都)、昆布森漁協
『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)