70cm TL前後になる。吻はサカタザメと比べると丸味があって鈍く、縦へん(上下に平たい)し細長い。表面に小さな暗色斑が散らばる。
コモンサカタザメの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)




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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
顎口上綱軟骨魚綱板鰓亜綱エイ区エイ上目サカタザメ目サカタザメ科サカタザメ属外国名
学名
Rhinobatos hynnicephalus Richardson,1846漢字・学名由来
漢字 小紋坂田鮫 Standard Japanese name / Komonsakatazame
由来・語源 サカタザメの仲間で小紋(小さな斑紋)がある。「さかた」は「逆田」なのではないか? すなわち田を耕す「鋤」に似たサメという意味。表面の小さな斑紋から「小紋」をつけたのは魚類学者の田中茂穂だ。Richardson
ジョン・リチャードソン(Sir John Richardson 1787-1865 スコットランド)、博物学者、魚類学者(ichthyology)。
Tanaka
田中茂穂(Shigeho Tanaka 明治11-昭和49 1878-1974 高知県)。東京帝国大学にて魚類の分類を始める。日本近代魚類学の父。170種前後の新種を記載。献名された種も少なくない。地方名・市場名
生息域
海水生。水深140メートルまでの砂泥地。
新潟県・[新潟県親不知沖]〜九州北西岸、和歌山県〜九州南岸の太平洋。瀬戸内海、有明海、東シナ海。朝鮮半島、台湾、江蘇省〜広東省の中国沿岸。生態
ー基本情報
サメとあるが、比較的暖かい海域に生息するエイの中まである。
主に西日本の産地周辺で食用とされている。淡泊な味で沿岸性のサメと同様にゆびきにして酢みそなどで食べられている。
珍魚度 東日本では珍しいが、西日本では探せば手に入る可能性がある。水産基本情報
市場での評価 関東の市場では非常に希。安い。
漁法 底曳き網
産地 和歌山県、長崎県選び方
触って張りのあるもの。体の斑紋がくっきりしているもの。味わい
旬は夏だと思われる。
鱗はざらざらして取るのは大変。皮は厚い。骨は軟骨で頭部のみ硬い。
白身で熱を通しても硬く締まらない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
コモンサカタザメの料理・レシピ・食べ方/生食(ゆでる)、汁(みそ汁)、揚げる(唐揚げ)、煮る(煮つけ、みそ煮)クリックで閉じますコモンサカタザメの刺身
サカタザメの湯引き 今回利用したのは胴の部分。皮つきのままゆでて、冷水に取り、たわしなどで鱗をこそげ落とす。これを刺身状に切る。辛子酢みそで食べるのがいい。淡泊な中に軟骨のこりこりした食感で、爽やかな味わい。辛子の利いた酢みそが合う。
サカタザメのみそ汁 頭部のやや硬い軟骨の部分を適当に切り、湯通しして冷水に落として表面のぬめりをとる。これを水から煮出して、みそを溶いた。じっくり煮出すといいだしが出る。青みはニラにしたがなんでもいい。軟骨のこりこりした食感が感じられてとても美味。クリックで閉じますコモンサカタザメのみそ汁
好んで食べる地域・名物料理
ー関連コラム(郷土料理)
西のサメ食、フカの湯引き・サメの湯引き
三重県以西の太平洋側、瀬戸内海、九州では基本的にゆでて酢みそで食べる。 鹿児島県志布志ではこれを「せんさら(千皿)」という。 とりたててうまいわけではないが、な・・・ 続きを開く加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/金栄丸(和歌山県和歌山市雑賀崎 金栄丸では魚の販売もやっています)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)