1m TL 前後になる。口も鰓も腹麺に開く。吻はよく尖り、体表に小棘はなく、背面は一様に褐色。
サカタザメの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)



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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱軟骨魚綱板鰓亜綱エイ区エイ上目サカタザメ目サカタザメ科サカタザメ属外国名
学名
Rhinobatos schlegelii Müller and Henle,1841漢字・学名由来
漢字 坂田鮫 Standard Japanese name / Sakatazame
由来・語源 大阪での呼び名。「さかた」は「逆田」なのではないか? 大阪の呼び名に「鋤のさめ」がある。「逆田」、すなわち田を耕す道具、「鋤」に似たサメという意味。地方名・市場名
生息域
海水魚。水深20〜230メートルの砂地。
八丈島、茨城県〜九州南岸の太平洋沿岸、瀬戸内海、新潟県〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、沖縄諸島、東シナ海中部以南の大陸棚縁辺〜斜面域。
朝鮮半島南岸、台湾、河北省〜広東省の中国沿岸、ベトナム。生態
遊泳力が弱い。
底生の小動物を食べている。
胎児数は6匹前後。
初夏に出産する。基本情報
サメ(サメ区)ではなくエイ(エイ区)で鰓や口は腹面に開いている。
国内の暖かい海域に生息し、刺し網、定置網などで揚がる。東日本では食用とはならず、主に西日本で食用とされている。瀬戸内海などでは好んで食べる地域もある。
とても味のいい魚であるが、ほとんど利用されていない。
珍魚度 珍しい魚ではないが、一般の人間が探すとたいへんかも。比較的見つけやすいのは西日本である。水産基本情報
市場での評価/非常に希に入荷してくる。安い。
漁法/刺し網、定置網
産地/神奈川県選び方
触って張りのあるもの。味わい
旬は不明。秋から春にかけて水揚げが多い。
活きがよく、水揚げ後も長く生きている。
鱗はザラザラとしてサメを思わせる。皮は鱗と一体化して熱に弱い。骨は前方体盤部分は硬い。
白身で血合いが少し赤い。熱を通しても硬く締まらない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
サカタザメの料理・レシピ・食べ方/煮る(煮つけ、湯引き)、揚げる(唐揚げ)、生食(刺身)クリックで閉じます
サカタザメの湯引き 西日本の瀬戸内海西部、九州などでの基本的な食べ方は「湯引き」である。
尾を部分をゆでる。表面だけ火が通ったら冷水に落として表面のザラザラした鱗を流す。これを刺身状に切る。この魚、前方はゼラチン質に富み味わい深いが尾に近い部分は非常に淡泊である。酢みそで食べるとやや美味。
サカタザメの煮つけ 胎盤部分を使って煮つけてみた。水洗いして適当に切り、湯通し、冷水に落として表面のザラザラした鱗を流す。水分をよく切り、酒・しょうゆ・水であっさり煮つける。砂糖・みりん甘味をつけてもいい。吻の両側にある透明な部分がババロアのように柔らかくなり、実にうまい。筋肉にもイヤミがなく、エイ特有のクセもない。非常にうまい。クリックで閉じます
好んで食べる地域・名物料理
ー関連コラム(郷土料理)
西のサメ食、フカの湯引き・サメの湯引き
三重県以西の太平洋側、瀬戸内海、九州では基本的にゆでて酢みそで食べる。 鹿児島県志布志ではこれを「せんさら(千皿)」という。 とりたててうまいわけではないが、な・・・ 続きを開く加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/海鮮市場 マルモト(神奈川県伊勢原市) スーパー ヤオマサ(神奈川県)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『原色魚類大図鑑 南日本の沿岸魚』(益田一、荒賀忠一、吉野哲夫 東海大学出版会 1975)