45cm SL 前後になる。鱗にある黒点が側線の下では筋状に並び、上ではところどころで乱れる。胸鰭、腹鰭、尻鰭、尾鰭の下方が黄色みを帯びる。
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珍魚度・珍しさ
★★
少し努力すれば手に入る魚貝の物知り度
★★★
知っていたら通人級食べ物としての重要度
★★★
一般的(流通量は普通)味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ニベ科ニベ属外国名
学名
Nibea albiflora (Richardson, 1846)漢字・学名由来
漢字/不明
由来・語源/瀬戸内海周辺での呼び名。由来や意味などはわからない。
〈CORVINA, Cuv, sp. こいち 大阪〉『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897/明治30年)Richardson
ジョン・リチャードソン(Sir John Richardson 1787-1865 スコットランド)、博物学者、魚類学者(ichthyology)。地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。100mよりも浅場の砂地、砂泥地。
瀬戸内海と有明海に多い。兵庫県浜坂・土佐湾から九州南岸までの各地。
希に青森県八戸、利根川下流域、。
朝鮮半島南岸・西岸、済州島、渤海、黄海、中国東シナ海沿岸。生態
産卵期は晩春から夏。
浅場に生息。基本情報
主に瀬戸内海と有明海で水揚げがある。中国大陸・朝鮮半島の黄海、渤海など大陸由来の魚かも知れない。ニベ科としてはやや大型で西日本の関西から瀬戸内海、九州などでは一般的な食用魚である。
西日本では比較的知名度が高い上に、釣り魚としても人気がある.
関東など東日本ではほとんど馴染みがない。
比較的安く、しかも嫌みのない魚で根強い人気がある。
珍魚度 関西から瀬戸内海、北九州などではいたって一般的な魚である。ただし日本海や関東、東北・北海道などではめったに入荷しないために、産地周辺に行って買うしかないかも。水産基本情報
市場での評価 西日本からときにまとまって入荷してくる。関東では馴染みがないので安い。
漁法 刺し網、底曳き網、定置網、延縄(はえなわ)
主な産地 瀬戸内海周辺、有明海選び方
鰭の黄色みの強いもの。体表の銀色に輝きのあるもの。触って硬く、鰓が鮮紅色のもの。味わい
旬は春から夏。
鱗は薄く取りやすい。骨はあまり硬くなく下ろしやすい。皮は薄いがしっかりして、熱を通して軟らかい。
白身でクセがない。血合いの色合い、黒い筋などがあるなし、不安定。生で食べて美味だが、刺身の身色はやや不安定。真子は非常にうまい。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
コイチの料理・レシピ・食べ方/揚げる(フライ)、ソテー(バター焼き)、煮る(煮つけ)、焼く(塩焼き)、生食(焼霜造り、刺身)クリックで閉じます
コイチのフライ 皮目の独特の風味があり、上質の白身で熱を通しても硬く締まらないなど、フライ材料としてもってこいだと思っている。
三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取る。塩コショウして小麦粉をまぶし、溶き卵にくぐらせ、パン粉をつけて揚げる。
パン粉の香ばしさの中、身はとても豊潤で甘味すら感じられる。
コイチのバター焼き 皮に独特の風味があるものの、身は淡泊で嫌みがない。ここにバターの風味を+する。水洗いして三枚に下ろす。塩コショウして小麦粉をまぶして、じっくりとソテーする。皮目の香ばしさに身の柔らかくジューシーであることなど、とても味わい深い。ご飯にも合う。クリックで閉じますコイチの煮つけ 上品で嫌みのない白身で、ここではおかず用にこってり煮てみた。根菜類、豆腐などと合わせてもおいしい。水洗いして適当に切る。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水で甘辛く煮る。クリックで閉じますコイチの真子煮 初夏などには抱卵個体がやってくる。成熟の度合いにもよるが、卵粒の小さい時季は非常においしい。卵巣は適当に切り、酒・砂糖・醤油・水を沸騰させた中に落としていく。短時間煮て鍋止めをする。ほくほくとし、甘味がある。クリックで閉じますコイチの塩焼き 有明海周辺で見てももっとも一般的な料理法である。水洗いして大型は適当に切る。小型は丸のままでもいい。振り塩をして1時間以上寝かせる。これをじっくりと焼き上げる。皮目の独特の風味が実に好ましい。身は淡泊で上品である。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
西日本では投げ釣りの対象魚。歴史・ことわざ・雑学など
沖詣り海神祭 福岡県大川市『風波宮』では旧暦の4月1日、大潮の時に沖詣り海神祭という祭礼を行うが大きなぐち(コイチらしい)の煮つけを供える。参考文献・協力
『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『魚類学 下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)