オキエソ

Scientific Name / Trachinocephalus trachinus (Temminck & Schlegel, 1846)

オキエソの形態写真

30cm SL 前後になる。棒状細長く断面が丸い。目が吻近くにあり、吻は他のエソ類と比べると著しく短い。組紐の紐を思わせる赤や黄の糸状の縦線が背中にある。[27cm SL・241g]
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30cm SL 前後になる。棒状細長く断面が丸い。目が吻近くにあり、吻は他のエソ類と比べると著しく短い。組紐の紐を思わせる赤や黄の糸状の縦線が背中にある。[27cm SL・241g]30cm SL 前後になる。棒状細長く断面が丸い。目が吻近くにあり、吻は他のエソ類と比べると著しく短い。組紐の紐を思わせる赤や黄の糸状の縦線が背中にある。[27cm SL・241g]
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度


      食用として認知されていない
    • 味の評価度

      ★★
      まずくはない

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区正真骨下区円鱗上目ヒメ目エソ亜目エソ科オキエソ属

    外国名

    Ground spearomg
    言語英名 

    学名

    Trachinocephalus trachinus (Temminck & Schlegel, 1846)

    漢字・学名由来

    漢字 沖鱛、沖狗母魚、沖蛇頭魚、沖九母魚 Okieso
    由来・語源 江ノ島での呼び名。沖合でとれるエソの意味。
    〈實際海岸に生活してゐtるからオキエソと云ふよりもイソエソの方が適當である。〉。沖にいるのではなく浅い場所にいるので、オキエソ(沖えそ)よりもイソエソ(磯えそ/磯には海岸線とか浅場という意味がある)の方が合っているという意味。『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)
    〈SAURUS C.&V. myops Forester しまえそ〉。『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897/明治30年)
    〈項肩亞目エソ科オキエソ属 オキエソ Trachinocephalus myops (FORSTER)〉。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
    2016年に学名変更。
    Trachinocephalus myops (Forster in Bloch & Schneider, 1801)→Trachinocephalus trachinus (Temminck & Schlegel, 1846)
    Schlegel
    ヘルマン・シュレーゲル(Hermann Schlegel 1804-1884年)はドイツの動物学者。テミングとともにシーボルトの持ち帰った脊椎動物を整理、記載。『Fauna Japonica』(日本動物誌)を執筆。
    Temminck
    コンラート・ヤコブ・テミンク Coenraad Jacob Temminck(1778-1858 オランダ) シュレーゲルとともにシーボルトの持ち帰った脊椎動物を整理、記載。『Fauna Japonica』(日本動物誌)を執筆。

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。浅い砂地。エソ類の中でももっとも浅場にいる。
    岩手県、宮城県万石浦、千葉県銚子〜九州南岸・大隅諸島の太平洋沿岸、新潟県〜九州南岸・大隅諸島の太平洋沿岸の日本海・東シナ海沿岸、瀬戸内海、小笠原諸島、沖縄島、宮古島、石垣島。
    朝鮮半島南岸・済州島、臺灣、砂山海域以南の中国以南。

    生態

    肉食性。
    産卵期は8〜10月。

    基本情報

    本州の暖かい海域以南に普通に見られる。底曳き網や刺し網、定置網に入ることがあるが少なく、漁業対象とはならないくらいしかとれない。小骨が非常に多く鮮魚では食べにくい。練り製品にしてもおいしくないとされているが、とれる量が少ないためだと思われる。
    珍魚度 流通しない魚なので自分で釣るか、産地周辺で探すしかない。

    水産基本情報

    市場での評価/非常に希に流通するが値がつかない。
    漁法/底曳き網、刺し網、定置網
    産地/

    選び方

    触って張りのあるもの。退色して白くなっていないもの。

    味わい

    旬は夏ではないかと思う。
    鱗は細かく取りやすい。皮は厚みがあって強い。骨は柔らかいが、小骨が非常に多い。
    白身で熱を通しても硬くならない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    オキエソの料理・レシピ・食べ方/揚げる(唐揚げ)、煮る(煮つけ)
    オキエソの唐揚げ 小骨が多いものの、その小骨も中骨も決して硬くない。二度揚げすると骨ごと丸のまま食べることができる。
    水洗いして骨っぽい頭部を切り取る。水分をよくきり、片栗粉をまぶし、少し置いてからじっくりと二度揚げにする。

    オキエソの煮つけ 相模湾では9月〜10月に白子、真子を持つ個体が現れる。もともとあまりとれない魚ではあるが、この時季に見かける機会が多くなる。この子持ちは捨てがたい味である。水洗いして鍋に入る大きさに切り、真子などを取り分けておく。湯通しして冷水にとり、残った鱗やぬめりを流し、水分をよくきり、砂糖・酒・醤油・水で煮る。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    魚はキス釣りなどの外道(目的以外の魚だが、いい言葉ではない)として馴染み深い。シロギスを釣っていると、そのシロギスをくわえて上がってくる。30センチを超える大物もいて、釣果の彩りにはなるが後で持て余す食えないヤツである。

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/小嶋純一さん(千葉県)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)

    地方名・市場名

    カネタタキ
    場所兵庫県明石 参考文献 
    ゴウナイエソ
    場所兵庫県明石市江井ヶ島 参考文献 
    シマエソ
    場所千葉県安房、和歌山県田辺 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929)、『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897/明治30年) 
    トラギス
    場所千葉県小湊 参考文献 
    ダイコクサン[大黒さん]
    場所和歌山県和歌山市木ノ本 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    イモエソ
    場所和歌山県塩屋 備考〈不味にして芋の價位よりしないとの意。〉 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    シマヨソ
    場所和歌山県田辺 参考文献 
    アマエソ
    場所和歌山県白崎 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    ソラムキ
    場所和歌山県白浜 参考文献 
    ミズヨソ ミヅヨソ モドロエソ
    場所山口県周防(瀬戸内海側) 
    ハダカヨソ
    場所山形県周防(瀬戸内海側) 参考文献 
    イソギス
    場所神奈川県三崎 参考文献 
    イソエソ
    場所神奈川県三崎そのた 参考文献 
    エソ
    場所静岡県伊豆、島根県、高知県柏島、有明海、鹿児島県種子島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    ドウナエソ
    場所高知県室戸岬 参考文献 
    ゴウナエソ ゴオナエソ
    場所高知県高知市 参考文献 
    オキノエソ
    場所鹿児島 参考文献 
    エソノウオ
    場所鹿児島県種子島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    ワニコ
    場所秋田県男鹿? 参考文献 
  • 主食材として「オキエソ」を使用したレシピ一覧

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