60cm SL 前後になる。細長く断面が縦に長い楕円形。胸鰭は細く長い。第1背鰭は第2背鰭と同じ高さで糸状に伸びない。腹鰭軟条は非常に長く根元から分離する。
イトヒキダラの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)


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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区正新骨下区側棘鰭上目タラ目チゴダラ科イトヒキダラ属外国名
学名
Laemonema longipes (Schmidt,1938)漢字・学名由来
漢字 糸引鱈 Standard Japanese name / Itohikidara
由来・語源 古くはタラの仲間と思われていて腹鰭が糸状に伸びていることから。地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。水深80〜2025メートルの大陸棚斜面。
北海道オホーツク沿岸、北海道〜駿河湾の太平洋沿岸。
千島〜カムチャツカ半島の太平洋沖、ベーリング海。生態
オキアミ類、その他甲殻類、ハダカイワシなどをエサにしている。
産卵期は2〜4月。基本情報
主に北日本太平洋側の沖合底曳網で上がるもの。
スケトウダラの減少にともなってすり身原料として脚光を浴びているが、漁獲量は安定しない。
鮮魚として出回ることは非常に希である。
水分が多いので単に料理すると煮崩れしやすい。ただ水分を抜いて料理すると俄然おいしくなる。料理法を選ぶが非常に味のいい魚である。もっと鮮魚としても利用してもいいだろう。
珍魚度 加工原料なので、丸のままの状態で見つけるのは至難。水産基本情報
市場での評価 加工原料で安い。鮮魚としても安い。
漁法 太平洋深海底曳き
産地 青森県、宮城県、北海道選び方
触って張りのあるもの。味わい
旬は不明。
鱗は軟らかく取れやすい。皮は薄く弱い。骨は血合い骨が硬い。
水分が多く白身でまったくクセがない。
水分が多く水分を抜くなど料理に一工夫を要すがくせがなくおいしい。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
イトヒキダラの料理・レシピ・食べ方/ソテー(ムニエル)、揚げる(天ぷら、フライ)、煮る(水炊き、煮つけ)、焼く(みそ漬け)クリックで閉じます
イトヒキダラのムニエル 表面に香ばしい層が出来、さくっとした食感があり、中は半液化したように柔らかい。全体にふんわりしている。上品な白身ではあるが、豊かな甘味とうま味がある。ムニエルとしては最上級だろう。
水洗いして三枚に下ろし腹骨を取り、血合い骨も取る。少しだけ表面の水分を取り、塩コショウする。少し置いて表面に出て来た水分を拭き取り、小麦粉をまぶしてじっくり長時間掛けてソテーする。
イトヒキダラのフライ 水分の抜き具合で味が変わる。あまり抜きすぎない方がふんわりしてジューシーである。揚げることで適度に身が締まり、甘味もある。とてもおいしい。クリックで閉じます
水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、ペーパータオルにくるんで水分を抜く。塩コショウして小麦粉をまぶし、溶き卵にくぐらせパン粉をつけて高温で揚げる。イトヒキダラの天ぷら 揚げてすぐは非常に香ばしく、中がふんわりと柔らかく、ジューシーである。この肉汁に豊かなうま味がある。ただし揚げて10分くらいで水分がもどってくるので揚げ置きするのには向かない。クリックで閉じます
水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、軽く振り塩をする。少し置き出て来た水分を拭き取り、小麦粉をまぶし衣をつけて高温で揚げる。イトヒキダラの水炊き スケトウダラの鍋とそっくりである。同じように水分が多いが、身に味があり、煮ながら食べるといいだしが出てくる。クリックで閉じます
水洗いして食べやすい大きさに切る。肝は取り分けて置く。塩をまぶして1時間以上置き、出て来た水分をきり、湯通しし、冷水に落として霜降りに。昆布だし・酒・塩で煮ながら食べる。好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/星野健一郎さん(株式会社フーディソン ■https://foodison.jp/)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 2013年02月26日)