体長30cm前後になる。体高が高く、側へんする。腹鰭の先端は臀鰭起部を少し越える。腹鰭のつけ根、背鰭の前部に褐色の斑紋がある。
ミナミキントキの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)

![体長30cm前後になる。体高が高く、側へんする。腹鰭の先端は臀鰭起部を少し越える。腹鰭のつけ根、背鰭の前部に褐色の斑紋がある。[28cm SL ・重さ0.631]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/2146/Thumb630/minamikintoki00.jpg)


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魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ亜目キントキダイ科キントキダイ属外国名
学名
Priacanthus sagittarius Starnes, 1988漢字・学名由来
漢字 南金時 Minamikintoki
由来・語源 キントキダイ科で南方系という意味合いか。『日本産魚類大図鑑』(益田一、荒賀忠一、尼岡邦夫、上野輝弥彌、吉野哲夫 東海大学出版会 1984)が初出か?
金時 という言葉は「赤」と同じ意味合いを持つ。これは坂田金時をモデルにした歌舞伎『怪童丸』が赤い衣装を身につけていたため。またカネヒラという地域もあるが、江戸浄瑠璃に「金平浄瑠璃」があり、坂田金時の子の坂田金平(公平。きんぴら、かねひらとも)が活躍する。「かねひら」も同様に「赤」を表す。地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。水深50m-200m。
青森県日本海側つがる市沖、富山湾、伊豆諸島三宅島、神奈川県三浦・藤沢、静岡県網代、三重県片田高知県以布利、[長崎県長崎市]、日向灘、鹿児島県秋目・高山・内之浦・種子島、奄美大島。
インド-西太平洋域。生態
ー基本情報
キントキダイ科は同定が難しく、本種の標準和名は1980年代につけられた可能性が高い。本種は生息域もまだはっきりわかっていない。
当然、細かな情報はほとんどない。多くの地方で他のキントキダイ、特にチカメキントキと混同されて利用されているものと考えている。水産基本情報
まだ生息域がはっきりしていない種。本州以南で水揚げされている可能性が高い。チカメキントキに似ているので混同されている可能性もある。キントキダイ科の中では大型になり、非常においしい魚である。選び方
体色の赤が鮮やかなもの。触って張りのあるもの。味わい
旬は不明。
鱗は小さくて硬くて非常に撮りにくい。皮はあまり厚くない。骨はあまり硬くない。
血合いのきれいな白身で、熱を通しても硬く締まらない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ミナミキントキの料理法・レシピ・食べ方/生食(刺身、あぶり)、煮る(煮つけ)、汁(潮汁、みそ汁)、焼く(塩焼き)、揚げる(フライ)クリックで閉じます
ミナミキントキの刺身 寒い時季の個体はほどよく脂がのっていて、身に張りがあった。水洗いして三枚に下ろす。皮を引き、刺身にする。血合いは弱く薄紅色をしている。透明感のある緻密な身で下にからみつくように甘味を放つ。非常においしい。
ミナミキントキの焼き切り 腹の部分を使った。三枚に下ろして腹骨を取り、血合いを切り取る。皮目をあぶって氷水に落とし、残った鱗や炭を流す。皮はあぶっても少し硬いものの噛めば噛むほどうま味が浮き上がってくる。身にも甘みがありおいしい。クリックで閉じますミナミキントキの兜煮(煮つけ) 今回のものは大型であったので頭を梨子割りにし、半分を煮つけてみた。肝や胃袋も一緒に湯通しして氷水に落として残った鱗などを流す。水分をよくきり、酒・醤油で煮る。砂糖・みりんで甘味をつけてもいい。身離れがよく兜だけでも食べ出がある。肝は非常にうまい。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/石田拓治さん(印束商店 長崎県長崎市)、和田英敏さん(神奈川県立生命の星・地球博物館)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)、『標本に基づく静岡県初記録のミナミキントキ』(畑晴陵 ・中江雅典)