
殻長40-60mm。細長く膨らみが強い。殻は厚みがある。
タテボシガイの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度 |
食べ物としての重要度 |
味の評価度 |
★★★★★ 知っていたら学者級 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
★★★★ 非常に美味 |
分類 |
軟体動物門二枚貝綱古異歯亜綱イシガイ目イシガイ超科イシガイ科イシガイ亜科イシガイ属
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外国名 |
ー
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学名 |
Unio douglasiae biwae Kobelt,1879
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漢字・学名由来 |
漢字 立烏帽子貝
由来・語源 滋賀県琵琶湖周辺での呼び名。平安時代から使われていた冠の立烏帽子(たてえぼし)に似ているため。 |
地方名・市場名 [?] |
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生息域 |
淡水生。琵琶湖固有亜種。
琵琶湖の回りの砂泥地。 |
生態 |
雌雄異体、メスは精子を水管から取り込むと、体内で受精。
産卵孵化、グロキディウムというという幼生になるまで鰓内で保育する。
そしてこのグロキディウムは母貝から放出されチチブなど魚類のヒレや鰓に寄生して成長、やがて剥がれ落ちて着底、成貝になる。
カネヒラなどタナゴ類やヒガイなどが鰓葉内や外套膜に産卵し、体長10ミリ程度まで貝のなかで育つ。 |
基本情報 |
セタシジミに次ぐ小型の二枚貝で、琵琶湖でもっともたくさん水揚げされる二枚貝のひとつ。
そのまま酒蒸しやぬたになる他、
剥き身で流通し、佃煮などに加工されてスーパーなどでも売られている。
「石貝の佃煮」は琵琶湖名物でもある。 |
水産基本情報 |
市場での評価 琵琶湖周辺でのみ剥き身で流通する。やや高値。
漁法 貝桁網
産地 滋賀県 |
選び方 |
剥き身はふっくらしているもの。貝の色合いが明るいベージュのもの。 |
味わい |
旬は晩秋から春。
小型の二枚貝。
ほんの微かに泥臭みを感じるが、ほとんど気にならない。
熱を通してもあまり硬くならない。
貝らしい旨みがたっぷりあり、いいだしが出る。 |
栄養 |
ー |
寄生虫 |
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食べ方・料理法・作り方 |
タテボシガイ(石貝)の料理法・調理法・食べ方/酒蒸し、ゆで(ぬた、酢の物)、煮もの、みそ汁、天ぷら タテボシガイの酒蒸(石貝の酒蒸) ざっと流水で水洗い。鍋に入れて酒を振り蒸し上げたもの。あまり硬くならず、貝らしいうま味があり、しかもくせがなく食べやすい。これをぬたや酢の物にしてもいい。
タテボシガイの煮もの(石貝の煮もの) ニンジン、切り干し大根、大豆などと煮るのが琵琶湖周辺での習い。貝の味わいとニンジンの甘さ、切り干し大根の旨みが相乗効果となって非常に美味。佃煮にすると当座のおかずとして重宝する。 タテボシガイのみそ汁(石貝のみそ汁) シジミよりもあっさりして上品。しかも味わい深くて後味がいい。朝ご飯にぴったり。  タテボシガイのみそ汁
タテボシガイのかき揚げ(石貝のかき揚げ) シジミほど泥臭くなく、苦みも少ない。ゆでて剥き身にして三つ葉などとかき揚げにしたもの。柔らかくサクッとした中に貝らしいうま味が楽しめる。  タテボシガイのかき揚げ
タテボシガイのぬた(石貝のぬた) 塩ゆでするか酒蒸しにして剥き身にする。これを青菜(季節のもの)などとぬたにする。軟体自体に甘味があり、酢の物でもいいがみそとの相性がとてもおいしい。 |
好んで食べる地域・名物料理 |
琵琶湖周辺。 |
加工品・名産品 |
いしがいのむき身●堅田周辺などで作られて琵琶湖周辺で一般に売られている。これをぬたにしたり、煮ものに使ったりする。
石貝の佃煮●琵琶湖周辺で作られている。柔らかくて、貝らしいうまさに満ちている。非常に美味。『魚善(滋賀県安土町)』、『魚友商店(滋賀県長浜市)』など。
フライ●カキと同じようにフライにして食べる。(滋賀県大津市堅田 貝、シジミ漁師 村井裕治さん 50歳お母さんらしき方達と) いしがいのむき身 堅田周辺などで作られて琵琶湖周辺で一般に売られている。これをぬたにしたり、煮ものに使ったりする。 |
釣り情報 |
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歴史・ことわざ・雑学など |
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参考文献・協力 |
協力/滋賀県近江八幡市安土町『魚善』
『日本産淡水貝類図鑑 1 琵琶湖・淀川産の淡水貝類』(紀平肇、松田征也、内山りゅう 株式会社ピーシーズ)、『日本産淡水貝類図鑑 2 汽水域を含む淡水貝類』(増田修、内山りゅう 株式会社ピーシーズ)、『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)、『湖魚と近江のくらし』(滋賀の食事文化研究会 サンライズ出版 2003)、『お豆さんと近江のくらし』(滋賀の食事文化研究会 サンライズ出版 1996) |
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