温暖化を感じる魚03 オオニベ

ニベ科では目立たない存在が、目立ちすぎる存在に


温暖化の魚を整理しているところです。以後改訂を繰り返していきます。
温暖化を感じる魚01 コショウダイ
温暖化を感じる魚02 チャイロマルハタ
温暖化を感じる魚03 オオニベ本ページ
温暖化を感じる魚04 テングダイ
温暖化を感じる魚05 メイチダイ
温暖化を感じる魚06 ヨコスジフエダイ

本種のニベ科は日本列島よりも中国大陸、東シナ海、南シナ海に多くの種が生息し、水揚げ量が多い。
ニベ科の「にべ」とは膠(にかわ)のことで、本種から作られる膠は、魚膠という。膠は接着剤なので「にべもない」の語源ともなっている。
朝鮮半島や中国でニベ科は高級であるのは、種類が多くたくさん揚がり馴染み深いからだろう。
国内で揚がるニベ科は量の多い順にシログチ、コイチ・ニベ、クログチ、オオニベだった。
いつの間にかオオニベはシログチに次いで目立つ存在になっている。
気球規模での危機が迫っている、証拠でもある。
本種の北上は今ある危機の証明だ。

築地市場時代には養殖魚として知られていた


1980年代から2010年くらいまでオオニベは西日本、主に九州の魚だった。
流通上、天然ものは関東に来ることは先ずなかったはずである。
2000年以前には1㎏〜3㎏あたりが和歌山などから来ていたが、築地市場の仲卸などでも種名がわかる人は少なかった。
むしろ突然大量に宮崎県、熊本県などからくる養殖魚として認知されていた。
当時、宮崎県から専用箱に入った養殖物が、築地場内大卸の競り場に大きな壁ができるくらいの大量入荷を見ている。
荷受け(東京都築地市場の大卸)に聞くと、天然ものよりも人気があるという。
これがスーパーなどに行き、特売の魚となる。
宮崎県などではサーフフィッシングの大物として有名だった。食用よりも釣りの魚として人気があったかも知れない。
■写真は熊本県天草の養殖もの。

魚は大きすぎると値がつかないのだ


九州で揚がる程度のマイナーな魚が徐々に北上してくる。
2010年代には駿河湾、千葉県外房で水揚げが増えた。
2020年になると若干海水温が低い神奈川県相模湾北部でまとまって揚がるようになる。
味がないという低評価が今現在まで続いている。

大きくてクセのない魚で、歩留まりがいいのにあまり高くはない。
むしろ安すぎるときの方が多い。
なぜか? 本種には致命的な欠点がある。大きすぎるのである。魚はハタ類などは大きいほど高値がつくが、ほとんどの魚は一定の大きさを超えると値がつかない。
■写真は神奈川県小田原市、小田原魚市場に揚がったオオニベ。

和の料理よりも洋食や中華、フレンチがいい


評価が低いのは味に特徴がないためである。
例えば刺身にすると、ただただ嫌みのない上品な味、としか言えそうにない。
まずくはない魚で工夫次第といったものだろう。
本種のような特徴のない、ある意味使いやすい魚は、和よりも洋の料理に合う気がする。
中華などにも使えるだろう。
個人的には刺身よりもフライが好きだし、バターや油を使ってこそ味わい深いと思っている。
せっかく水揚げが増えているのだから、いかに利用するか、が課題である。


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