温暖化を感じる魚05 メイチダイ
相模湾、千葉県には幼魚が多かった
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温暖化の魚を整理しているところです。以後改訂を繰り返していきます。
・温暖化を感じる魚01 コショウダイ
・温暖化を感じる魚02 チャイロマルハタ
・温暖化を感じる魚03 オオニベ
・温暖化を感じる魚04 テングダイ
・温暖化を感じる魚05 メイチダイ本ページ
・温暖化を感じる魚06 ヨコスジフエダイ
メイチダイのフエフキダイ科から説明する必要がある。本来琉球列島以北の温帯域にフエフキダイ科の魚は少なかった。
例えば世界的に見ると日本を代表するマダイのタイ科は非常に種が少なく、温帯域を中心に生息するミニマムな個体群(種類たち)といえる。
フエフキダイ科は体高があり、いわゆるタイ形の魚である。同科別属には沖縄県でよく食べられていて、本州にも生息域を持つ「たまん(ハマフエフキ)」がいる。
熱帯域、南半球から北半球にかけて膨大な種がいて赤道に近づくほど種が増える。科内には膨大な種が存在していて、未だに新種が見つかっている。
フエフキダイ科は世界的な食用魚である。
今現在メイチダイ属の魚で琉球列島以外で流通する種はメイチダイ、サザナミダイ、シロダイで、シロダイ以外は明らかに漁獲量が増えている。
メイチダイはフエフキダイ科メイチダイ属の魚で、唯一九州、四国、本州に生息域を持っていた普通種である。現在のところ生息域は千葉県・新潟県以南だ。
シーボルトが長崎県などで文政6年~文政12年(1823-1829)に採取、オランダに持ち帰った標本で記載されているので魚類学的に歴史が古い。
同属の他の種との違いは小型であり、頭部に目を横断する褐色の帯があること。この目を横断する帯から「目一鯛」という。
1980年代に神奈川県小田原から、毎週のようにタイ釣りに通っていた。出船が8時台なのでときどきこっそり小田原魚市場をのぞいていたときに初めて本種を見た。魚類図鑑を丸暗記していたときで、メイチダイの幼魚を見つけて、喜び勇んでクーラーに仕舞っていたら、船宿の船頭に捨てろ、と言われている。
臭い魚で釣った魚に臭いが移るというのだ。要するに相模湾では当時、食用魚ではなかったのだ。実際、野締め(漁の間に死んでしまったもの)はカルキ臭がする。
ただ、築地場内(東京市場)でも何度か見ている。やや高値をつけているのが不思議だったが、九州産は扱いがよかったか、珍しさが価格に転嫁されていた可能性がある。
夏になるとメイチダイ祭でわっしょい、なのだ
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さて2010年くらいまで、駿河湾にはメイチダイの成魚である体長30cm前後が普通にいた。
相模湾に幼魚はそれなりにいたが、成魚は珍しかった。
千葉県外房で2000年代に防波堤釣りをしていると、希に手のひらサイズがかかってくる程度の魚だった。
そして2025年、相模湾では明らかに夏の風物詩となっている。小田原魚市場だけではなく相模湾中の漁港にあふれんばかりに揚がって、買受人がまとめ買いしている光景が目につく。ほとんどが活魚なので壮観であるし、大量に仕入れても売れる魚になっているのだ。
本種が相模湾などで激的に増えたのは明らかに温暖化のせいであり、その内、北上傾向をみせてくれそうでもある。
今や都内でも刺身が売られている
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2000年代に、おいしい魚だと教えてくれたのは三重県尾鷲市の岩田昭人さんである。
実際に尾鷲まで行き買ってきたら、ビックリするほどおいしかった。
なぜなんだろう? 尾鷲漁港の水揚げを見ていたら、基本的にメイチダイは活魚であること。また弱った個体は活け締めにしていたのだ。
相模湾では漁が少ない上に、お金にならないから野締めにしていた。だから臭かったわけで、処理がいいと激変する魚だったことになる。
尾鷲市のスーパーには刺身で並んでいたのでこちらも買い求めてきた。まさに絶品としか言えないものだった。
さて、2020年代になると関東には九州からややまとまってやってくる。みな活け締めにしたものだ。この九州産はときどき都内のスーパーでも刺身で見かけるようになっている。
今現在、相模湾では、この尾鷲と同様の扱いをしていることになる。

ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
イラスト図解 寿司ネタ1年生



