聖子を探す旅10 商店街巡り、板宿商店街

神戸市には商店街が無数にあるが、生きている商店街は少ない


明らかに所謂グルメ的ではない田辺聖子の食べものの、表現の特徴は曖昧模糊とした部分がないことだと思う。
単純に好きなものを好きなように気楽に食べるのが、好きだというのがわかる。
田辺聖子など日常の買い物からして、デパートや高級スーパーではなく、市場・商店街をもっぱら利用していたというところがいい。
神戸における田辺聖子の食品調達は新開地から湊川周辺だった。
今回の板宿町までは距離があるが、典型的な神戸市の商店街を見ておきたいというのもある。

神戸は大震災の影響もあり、「昔ながらの面影が凄まじい勢いでなくなってしまった」、とは王子公園駅で会ったオッチャンの言葉である。
それでも田辺聖子の時代の商店街や市場が少なからず残っているところが神戸の魅力でもある。
神戸市の総人口は149万人くらい。この食をその昔は商店街や市場が担っていた歴史がある。

さて、板宿駅を出ると、正面に板宿本通のアーチ型の看板がある。
ここで重要なのが本通りは南北に道があるということだ。北、山に向かうことを「上」もしくは「上がる」といい、南、海側に向かうことを「下」、「下る」という。
板宿の商店街を何度も何度も上がり下りする。

チェーン店も目立つけど、古い店も残っている


ついでに、神戸市内の商店街は大小あるものの、このアーチ型の入り口だけは同じである。
バスに乗っているといくつもの商店街があることがわかるが、ほぼ商店街としては機能していない。
板宿商店街はまだ新しく、営業を続けている商店も多い。
ただし商店街の中央にある「板宿きたいちば」はシャッターを下ろした店が多く、ある意味、見る影もない。

神戸は洋菓子と餅屋だらけ


早朝から神戸市中央市場を駆け巡り、市場の喫茶店でモーニングを食べただけ、激しい飢餓感を感じて、『菓子の司 もとはし』で「しょうが餅」を立ち食いする。
考えてみると神戸市は洋菓子で有名だが、餅と餅菓子などももっと注目を浴びていいのかも。
しょうがの香りがして柔らかくおいしかった。

板宿商店街に見事な魚屋を発見する


魚屋があまり残っていなかったのも残念。ただし『鮮魚ショップこうちゃん』だけはがんばっていて、鮮度、品揃えともに見事だった。
駒ヶ林(駒ヶ林魚市場 兵庫県神戸市長田区駒ケ林町)で上がったものがあって、「たもり(セトダイ)」や、シロギス、切ったアカエイなどが並んでいた。
今日が最終日だったら大買いしていたかも。

あっちが下で、あっちに行くことを下る、という


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