聖子を探す旅6 王子公園駅改札口前、ぽーとでいきなりワンタン、中華丼
腹の虫が泣きすぎて、飛び込む町中華
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1928年(昭和3年)、大坂市福島生まれの田辺聖子は小説、エッセイを読む限りでも、お上品なマダム的な店ではなく、福島の商店街、尼崎出屋敷・三和市場、神戸の湊川・新開地の市場が好きだったようだ。
少しでも多くの市場を見てみたいと、岡本駅から王子公園駅で途中下車して、気がついた。そうだ、今日は水曜日だ。
聖子を探す旅は市場旅でもあると、わざわざ市場最寄りの改札を出て、曜日が浮かび、同時に中華料理店があったという次第だ。
12時前、その店は実に狭くカウンターだけの席はほぼ埋まっているように見えた。のぞき込んでいたらオカミサンらしき方が「席ありますよ」と指差して、おいでおいでする。手前のお客が少し体を反らせて、どうぞ、と言っているようだった。
前日の夕方に軽く食べて、伊丹でしょうが天を1個だけなので、お腹と背中がくっついている。
見たところ地元の人ばかりなのでへっこんだ腹が期待で膨らむ。
いろいろ考えている余裕がないので、目の前の張り紙のいちばん上の中華丼とワンタン(小)にする。
隣のオッチャンは小柄なのに天津飯大盛りなんて注文して、あいよ、という感じでカウンターの中のオヤジサンが大量のご飯を丼に盛り付ける。
作り慣れて適当に力がぬけた感じがいい。
オッチャンが1人で料理を作り、小柄なオカミサンは幅の狭い厨房を一二の三とタイミングをとって左右に入れ違う。
それを見ているだけで待つ間が楽しくなる。
ビールをお願いすればよかった、かと思ったけど、最近、昼酒はききすぎて困る。
さてワンタン(小)がやってきた。
空きっ腹なので急いで口に運ぼうとしてあまりの熱さに、レンゲが近づいただけでアツツとなる。ものすごく熱い。
でも、フーフーを10回くらいして口に入れたスープがものすごくおいしい。
地味だけど矢鱈にうまし、中華丼
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これでは当分、ワンタンを口に入れられない、と思っていたら、中華丼がやってきた。
やけに素っ気ない、飾りっ気なしの中華丼もヤケドしそうなほど熱い。
うまいのに熱すぎて飲めない、食えない。
悪戦苦闘して食べると滅法、やけに、とてもうまい。
ぽーとと言う店だったのか、と振り返る
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「おいしかったです」。
東京ではとても言えない言葉がこぼれでる。
店を出て、この店の名が『ぽーと』であることを知る。
食べ歩きをしないし、予め調べて探さないので、ハズレも多いけど当たりもあるのさ、だ。
さて、水曜日だけどとりあえず、東に向かう。
これが水道筋商店街である。
思った以上に店が多いものの、定休日の店が多い。
灘中央市場を確認しただけで、また駅にもどる。
聖子の旅でもあるが市場の旅でもある
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田辺聖子を巡る旅は改訂・追加を繰り返していく。
・聖子を探す旅01 JR伊丹駅の前は荒木村重の有岡城
・聖子を探す旅2 伊丹市町歩き
・聖子を探す旅3 伊丹市の酒蔵
・聖子を探す旅4 伊丹市の商店街
・聖子を探す旅5 突然途中下車、谷崎潤一郎の岡本
・聖子を探す旅6 王子公園駅改札口前、ぽーとでいきなりワンタン、中華丼本ページ

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