2024年、年に一度だけの青森県産「かき」食い
夏になると食べられる黄色い部分が膨らんでくる
青森県で「かき」はミネフジツボというフジツボ科の甲殻類をさす。要するに海辺にいくとどこにでも見られるフジツボの一種だ。
フジツボとしてはオオアカフジツボとともに国内海域では最大種のひとつだろう。
瀬戸内海でも普通に見られるなど、国内での生息域は広いにもかかわらず、たぶん流通するくらいとっているのは青森県だけだと思う。
これなど流通の世界や料理店では、珍しくもなんともない普通の魚介類だが、一般人には珍奇なものに見える、という意味で「プロと普通の人の認知度にとても落差のあるもの」のひとつだ。
毎年、7月、8月に買っているが、今年は9月12日が初買い、だった。
料理法は酒蒸しだけだ。
食卓に出てくると不思議な物体に見えるが予想外においしい。
爪(蓋板)の下にある黄色い塊を食べるのだけど、意外にボリューミーである。
味は濃厚な海のポタージュのようでもあるし、食感は硬めのババロアのようでもある。
いずれにしろカニやエビの風味のある、濃厚な味の柔らかな塊そのものといえるだろう。
今年は薄いウイスキーのソーダ割りの友とした。
岩には見えないが石には見えるかも知れない
八王子綜合卸売センター、福泉に青森県下北産「かき(ミネフジツボ)」がきていた。そう言えば、2000年前後は「かき」だったのに、最近、フジツボとしてくる。青森県なんだから先々永延に「かき」のほうがええ気がする。
夏のもので、出始めは高いが、秋、9月になると値が落ち着く。
岩に見える周殻部分が重いので歩留まりはとても悪い。
ばらばらにバラしてくることもあるが、塊をごろんとそのままで来ることもある。今回は塊ごろん、だった。
ざっと流水で洗い、大きな塊ならトンカチなどで小分けにする。
酒・少量の水で蒸し煮にする。
ちなみにボクは、ときどき爪を引っ張っても出てこないものがある、のが気にかかる。
イラチーなのもあって蒸し上がりにタガネでトンと一発、食べやすく、割って食卓にだす。
イラチーじゃない人はそのまま、ね。