ホッキガイとイタリアナスのオリーブオイル炒め

イタリアナスとホッキガイとオリーブオイルの融合


いちょう切りのイタリアナスはソテーすると柔らかくとろっとするが、決して形くずれはしない。
この上に一緒にソテーしたホッキガイ(ウバガイ)の水管・貝柱などをのせて食べると、とてもうま味の量が多く、複雑でゴージャスである。
ごちそうといっても過言ではない。
とても単純な料理で材料も最小限なのに、一切れでこんなに満足度が高いなんてことにも不思議さを感じる。
貝のうま味を程よく吸ったナスとホッキが融合している。
バタールで皿に残ったうま味豊かなオリーブオイルを拭き取りながら、飲む1パイの白ワインもいいものである。
今回の失敗はオリーブオイルをけちったことだろう。
オリーブオイルはTanto、たんとがいい。

イタリアナスは、一見加茂なすに見えて、かなり違う味だ


さて、ときどきイタリアナス(Violetta di firenze)を見かけることがある。ほんの数年前、新宿などのデパートで売られていたときの値段にはびっくりしたが、今やそんなに高くはない。
ましてや八王子綜合卸売センター、八百角で買えば、安くてびっくりで、こんどはびっくりの意味が違ってくる。
加茂なすとの違いは熱を通したときの硬さかも知れない。
加茂なすは適度にしまり、イタリアナスはとてもふわふわになる。
イタリアナスの方が別の素材と合わせやすい。
冷凍庫に保存して置いた、ホッキガイ(ウバガイ)の足以外を解凍する。
ホッキガイで刺身にするのは足で、水管(海水を取り込んで吐き出す部分)や外套膜(貝殻を作ったり、修復したりする)は別の用途に使っている。余ったら冷凍しておくと便利。
適当な大きさに切っておく。
イタリアナスは横に1cmの厚みに切り、いちょう切りにする。ちなみに切り方などは八王子市のフレンチ、『ル・トン』さんに意見を聞いた。
びっくりするほどたっぷりのオリーブオイル・にんにくを入れてゆっくり温めて風味づけする。
にんにくを取りだし、いちょう切りにしたナスを中火でソテーする。
なすがソテーし終わったらホッキガイを同じフライパンでソテー、香りづけに使ったにんにくと一緒にナスの上に乗せて、エキストラバージンオイルを追いがけする。
エキストラバージンオイルはかけすぎるくらいがちょうどいいが、最近高いのでついつい控えめになる。


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