関東でクロガレイはもっとも在り来たりなカレイなのだ

よく食べられているカレイなのに誰も知らない


「黒ガレイ」は関東で一般的だが、関西ではあまり見かけない。関西のカレイ類の供給地が山陰を始め、日本海と瀬戸内海、紀伊水道だからだと思っている。関東の供給地は北海道と東北、常磐なのである。
特に北海道は関東最大の魚の供給地であるということからも、「黒ガレイ」をよく食べるようになったのだと思う。
ただ、問題なのは関東に住んでいるほぼすべての人がカレイはカレイでしかなく、種類があることすら認識していないことだ。ましてや「黒ガレイ」が2種のカレイの総称だとわかっている人はいないだろう。
土曜日の昼下がり、近所のスーパーで売られていた「黒ガレイ」は標準和名のクロガレイであった。もう1種の「黒ガレイ」であるクロガシラガレイは昨年、今年とボクがが知る限りは見ていない。
姿もそっくりなら味も同じ。やや水分が多く、身(筋肉)のうま味の量が少ないものの、料理次第ではとても味わい深い。
ちなみにクロガシラガレイは東北太平洋側にもいるが、クロガレイは北海道の特産種である。
この安くて料理次第とはいえ、おいしく食べられるカレイは2種あるとかはどうでもいいので、せめて「黒ガレイ」という言語でおぼえて欲しいものである。
今回の切り身パックは側線の形からクロガレイとした。このようなパックを作る場合、1尾をばらさないで詰める方がやりやすいので、並べてみて体高からもクロガレイという結論になる。
こんなことはやらなくてもいいので、安くておいしい「黒ガレイ」をみんな食べようぜ、といいたい。

水分が多く味がないのでこってりとした味つけにする


今回は素直に煮つける。
切り身はパックから出していきなり湯通しする。
もちろん血液などを拭き取ってもいいが、無駄に紙を使ったり、布類を使う意味はない。
冷水に落とし、表面のぬめりや残った鱗を流す。
水分をていねいに取り、酒・みりん・醤油・水を沸かした中に入れて煮る。
醤油は控えめに、煮ながら味加減を調整する。
「黒ガレイ」は比較的こってりと甘辛に煮るとおいしい。
これがボクの昼ご飯のおかず。
菜の花の浸しに、ねぶかのみそ汁で、実にいい昼時となった。


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