夏バテ、バテバテで作る小アジの南蛮漬けはやけに酸っぱくなる

小アジの水揚げも、小アジの下ごしらえもたいへんなのだ


近所のスーパーに行ったら、三重県産の唐揚げ用小アジ(マアジ)が売られていた。マアジの若い個体は売れる魚なので、面倒でも水揚げのときに選別する。端で見ていても大変ではあるが、苦労に足りるくらいの値をつける。
この1パックには漁師さんと小売店の苦労が見えてくるもので、値段以上の価値を感じる。
水産物とヒトとの関わりを調べているので、ボクなどこのようなものから様々なことがわかる。
さて、小アジの下ごしらえはとても簡単である。鰓蓋に指を入れて鰓ごと引っ張ると、内臓がきれいにとれる。これをざっと塩水で洗い水分を取る。
簡単ではあるが、ここまでスーパーでやってくれるってありがたい。

小アジの南蛮漬けの作り方のコツは、順番どおりやることなのだ


買って帰ったらまず合わせ酢を作る。材料は酢・砂糖・塩・薄口醤油・だしだが、まずはだしに酢を加えて酸味の加減を自分(家族)好みにする。
塩・砂糖・薄口醤油をたして味見して一煮立ちして、再度味加減し酢の角を取る。
小アジに振り塩をして下味をつける。片栗粉をまぶす。
余り物でもなんでもいいので香りのある野菜を刻む。
今回は紫玉ねぎ、普通の玉ねぎ、辛くない唐辛子、辛い唐辛子だ。
片栗粉をまぶして少し寝かせ、もう一度片栗粉を足さないでまぶし直す。
これをじっくり二度揚げする。

野菜、唐揚げ、野菜と層を作っていく


容器に酢を入れて野菜を1層敷く、二度揚げした小アジを並べる。
また野菜を敷いて揚げたての小アジを並べて、と層を作っていく。
これを1時間以上寝かせるのだけど、今回は一晩寝かせた。
ちなみに1食に2尾くらいずつ食べ繋いでいく。
これを当座の総菜という。
疲れているときほど合わせ酢の酸度が強くなる気がするが、ボクだけかも知れない。

毎食2、3尾で満足できる味つけにするのが当座の総菜の基本


この口に放り込んだ小アジが丸ごと口の中に広がり、その青魚にしかないうま味が炸裂し、野菜の香りが来て、酢の後味がって、並べるだけ文字を並べても表現できそうにない。
とにかく疲れているときには酸味、だ。


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