冷や汁(焼く)・ワカシの冷や汁
ワカシがお宝になる
神奈川県小田原市 小田原魚市場の二宮定置にものすごい量のワカシが上がっていた。全長20cm、重さ120g前後のもっとも定置に入って欲しくないサイズだ。当然、売れないのでダンベ(大型容器)に放り込まれる。数百キロでいくらくらいになるのか? 要するに選別する労力が無駄という存在だ。
でも食べ方によってはお宝になる。今回のものは長崎県雲仙市、佐藤厚さんに教わった冷や汁に、愛媛県のやり方、工程を加えたもの。
素焼きにしてほぐして、すり鉢で予めすっておいてゴマとみそと合わせる。合わせたものを少し薄くのばしてバーナーであぶる。
ここに水と夏の香辛野菜、キュウリを入れて氷などで冷たく冷やす。
後はご飯に乗せてかき込むだけだ。夏の食欲のないときなどに最高にうまい。夏のご馳走でもある。
すりゴマを入れるとこくが出る
冷や汁にはゴマや落花生を加える地域と加えない地域がある。ワカシは身にうま味があまりないので、ゴマを少し多目に使った。味噌は雲仙市のヤマト醤油のもの。
ワカシを三枚に下ろして素焼きにする。
すり鉢で煎りゴマをする。
味噌を加えてすり、素焼きをほぐして入れる。幼魚であり三枚に下ろしているので骨はあまり気にしなくていい。
すったものをすり鉢の回りに広げて、バーナーを遠く放して少し焼き目をつける。
しゃもじなどでまた中心部に集めて、水と野菜(キュウリ、青じそ、ミョウガ、ネギ、しょうがの搾り汁)を加える。