今季初ハタハタの塩焼きは釧路産
今季初ハタハタは北から、そしてじょじょに南下してくる
関東で暮らしているとハタハタの時季は、秋(10月)から始まる。
10月からハタハタを食い始め、5月くらいまでがハタハタの時季だ。
不思議と、夏に、ハタハタ気分にはなれぬ。
市場では、秋に北海道の比較的大きなものが入荷してきて、やがて秋田県など東北日本海側のものがくる。春には山陰、鳥取県、兵庫県などがくる。
産地での味の違いはないと思っている。
成熟していない若い個体の方が脂があり、成熟が進むに従い脂が減る。
雌の真子(卵巣)が硬くなったものはそんなにおいしくない。
成熟個体は、真子よりも白子の方が味があるので、大きくなる雌よりも雄の方がうまい。
いきなり真子をがぶりとやって、我は子供なりと叫んでみる
今季初もの釧路産は素晴らしい、としかいいようのないものだった。
売られていたのは、雌ばかりで卵巣が少し膨らんでいたが未成熟で、卵巣は少しねばっとしていた。
この未成熟の卵巣から食べるという、ちょっと邪道で、子供っぽい食べ方をしてみた。
これが大正解。
ハタハタは大人食いではなく、子供っぽく食うべきだと、久しぶりに食べて気がついた。ついでに言うと、太宰治のように野蛮に食うべきでもある。
後に残った身だって、あえて言うといちばんうまい部分だった皮だって、全部主役級の味だった。
今季、ハタハタは幸先よし。