コナガニシ

Scientific Name / Fusinus ferrugineus Kuroda & Habe,1961

代表的な呼び名アカニシ

コナガニシの形態写真

殻長10cm前後になる。ナガニシ類としては小型。結節は低い。角皮は明るい茶色もしくは褐色。水管が長く、細長い。鰓孔は形成されない。生きているときカイメン(海綿)をつけていることが多い。[長崎県橘湾 海綿を取り去った状態]
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殻長10cm前後になる。ナガニシ類としては小型。結節は低い。角皮は明るい茶色もしくは褐色。水管が長く、細長い。鰓孔は形成されない。生きているときカイメン(海綿)をつけていることが多い。[長崎県橘湾 海綿を取り去った状態]殻長10cm前後になる。ナガニシ類としては小型。結節は低い。角皮は明るい茶色もしくは褐色。水管が長く、細長い。鰓孔は形成されない。生きているときカイメン(海綿)をつけていることが多い。[長崎県橘湾 海綿がついた状態]殻長10cm前後になる。ナガニシ類としては小型。結節は低い。角皮は明るい茶色もしくは褐色。水管が長く、細長い。鰓孔は形成されない。生きているときカイメン(海綿)をつけていることが多い。[新潟県新潟市西区五十嵐新川 海綿がついていないもの]
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    動物門軟体動物門腹足綱前鰓亜綱新生腹足上目新腹足目アクキガイ超科イトマキボラ科ナガニシ亜科ナガニシ属

    外国名

    学名

    Fusinus ferrugineus Kuroda & Habe,1961

    漢字・学名由来

    漢字 小長辛螺 Standard Japanese name / Konaganishi
    由来・語源 矢倉和三郎の命名。ナガニシは殻高の高い細長い巻き貝という意味。ナガニシに似ていてあまり大きくならないため。
    Kuroda
    黒田徳米(くろだ とくべい Kuroda Tokubei 1886-1987 兵庫県淡路島)。貝類学者。日本貝類学会創設者で、会長にもなった。同郷の平瀬與一郎の平瀬商店に丁稚奉公にあがり、貝類の収集、のちに分類にたずさわる。
    Habe
    波部忠重(はべ ただしげ Habe Tadasige 1916-2001 兵庫県)。貝類学者。マダカアワビの記載など、貝類の分類に多大な業績を残しただけではなく多くの貝類図鑑を作る。貝類学会会長も務める。

    地方名・市場名

    ナタミナナガニシ メタミナ
    場所長崎市雲仙市小浜 参考佐藤厚さん 
    トンガリミナ
    場所長崎県平戸市度島 参考福畑敏光さん 
    アカニシ
    場所石川県七尾市、福井県 
    アカベイ[赤べい]
    場所鳥取県境港 
    ヨナキガイ[夜泣貝]
    場所広島県、山口県宇部市 参考青山時彦さん(宇部市青山鮮魚) 
    アカビナ
    参考文献より。 

    生息域

    海水生。浅い砂地。比較的沖合いから水深10m前後の砂泥地。
    陸奥湾以南から九州の日本海、橘湾に棲息している。日本海のナガニシはほぼ本種だと考えていいだろう。

    生態

    基本情報

    本州から九州の日本海側、長崎県橘湾などに棲息している。イトマキボラ科のナガニシ属は、日本各地で細々と食べられているが非常にローカルな水産物だ。
    日本海では比較的まとまった水揚げがあるものの、ほとんど食用となっていない。
    日本海側で古くから食用としていたのは石川県七尾、鳥取県境港などで、非常にローカルなものである。
    山陰などではナガニシ(ナガニシ類)を好む広島に出荷している。
    非常に歩留まりの悪い巻き貝だが、味は最上級である。
    珍しさ度 珍しい貝ではなく、底曳き網や刺し網の混獲物である。あまり流通しないので手に入れにくい。

    水産基本情報

    市場での評価 あまり流通しない。関東では安い。広島県でのみ高値となる。
    漁法 底曳き網、ナマコけた網、刺網
    産地 島根県、鳥取県ほか

    海綿がついているコナガニシコナガニシの入荷状況 日本海での底引き網などでとれるのだが、海綿がついていることが多い。

    選び方

    原則的に生きているもの。

    味わい

    旬は不明。
    底曳き網の漁期が旬ともいえそう。
    貝殻は薄いが硬い。足の部分は小さく、内臓はえぐみがあって食べられない。
    貝殻を割り、しっかり内臓を取り除いてから料理する。ぬめりはあまりない。
    基本的に生で食べる。

    内臓の味 コナガニシの内臓は苦みと刺激があり、食べられない。足のつけ根、唾液腺にも毒があるので除去する。殻付き内臓のまま煮ると筋肉にも苦みが移るので、絶対にやってはいけない。

    栄養

    危険性など

    唾液腺にテトラミンを持っている。食用とするのは足の筋肉部分のみ。

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    コナガニシの料理法・調理法・食べ方/生食(刺身)、揚げる(天ぷら)

    コナガニシの刺身 食感が実に心地よい。とても甘味が強く、独特の好ましい苦みが感じられる。巻き貝の刺身としては最上級である。醤油・わさびもいいが、塩・柑橘類、醤油・柑橘類で食べてもおいしい。
    貝殻を割り、内臓を完全に取り去る。ぬめりをよくもみ出して仕上げに塩もみをする。エゾバイ科と比べるとぬめりは少ない。この足だけの部分が生で食べられる。

    コナガニシのかき揚げコナガニシの天ぷら(かき揚げ) 刺身などで食べて残ったら、天ぷらにしても捨てがたい味である。ただし揚げることで甘味が増すものの、風味のよさは少なくなるように思える。
    貝殻を割り、足だけにする。赤い足を割り中の唾液腺などと取り、ぬめりを流す。水分をきり、打ち粉をして衣をつけて高温で揚げる。

    好んで食べる地域・名物料理

    広島県、石川県七尾市七尾、鳥取県境港

    関連コラム(郷土料理)

    記事のサムネイル写真新潟市、越後新川の生物・食物図鑑2 コナガニシ
    新潟県西区五十嵐新川漁港周辺の生物・食物図鑑を作っていく。 新川漁協に水揚げされる水産物は量的には多くないが、多彩である。 うまいもん揃いだとも言えるだろう。・・・ 続きを開く

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)、『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)
  • 主食材として「コナガニシ」を使用したレシピ一覧

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