2025-9-05 掲載
郷土料理 新潟市、越後新川の生物・食物図鑑 コナガニシ
新川漁港前のコナガニシはとてもうまいのだ

新潟県西区五十嵐新川漁港周辺の生物・食物図鑑を作っていく。
新川漁協に水揚げされる水産物は量的には多くないが、多彩である。
うまいもん揃いだとも言えるだろう。
その最たるものがコナガニシである。
日本海に多い巻き貝であるが、唾液腺にテトラミンを持ち、内臓に苦みがあるなど、非常にやっかいな存在だ。
日本海側では鳥取県、石川県では食べているが、他の地域では見向きもしない。
ただし、刺身にするとこれ以上の美味は望めない、と思っている。
歩留まりは最低である。
食べる部分はふたのついた足の部分だけ、あとは洗い流す。
ぬめりはほとんどないので、水分をきって適当に切るだけだ。
柑橘類と塩もありだし、柑橘類と醤油もうまい

いつもはわさび醤油で食べているが、今回は醤油をかけてカボスを絞り込む。
辛みは不要とみたが、青い唐辛子なども合うと思う。
食感が心地よく、甘味が強い。
なんど食べても飽きの来ない味で、これなら毎日イケルと思うが、めったに手に入らないのが難点。
熱暑の来る前、べた凪の日本海で網をたぐる

新潟県西区五十嵐新川漁港から鈴木重雄さんの権栄丸で沖に出て、刺網漁にのせていただく。
漁場は近い。
日本海ならではの夏のべた凪、南に見えるのは角田山、その奥に弥彦山である。
狙いはワタリガニ(ガザミ)だが、コナガニシがかなり混ざる。
この地域にはコナガニシを食べる食文化がないので、単なる厄介者でしかない。
権栄丸・鈴木重雄さんは食べようと思ったこともないという。