ヒカリチヒロエビ

Scientific Name / Aristeus virilis (Bate,1881)

ヒカリチヒロエビの形態写真

体長12センチ前後になる。胸脚に発光器がある。

    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    節足動物門甲殻上綱軟甲綱(エビ綱)真軟綱亜綱(エビ亜綱)エビ上目十脚目根鰓亜目チヒロエビ科ヒカリチヒロエビ属

    外国名

    Stout red shrimp
    言語英名 

    学名

    Aristeus virilis (Bate,1881)

    漢字・学名由来

    漢字 光千尋蝦
    由来・語源 胸脚に無数の発光器を持っているため。尋(ひろ)とは大人が両手を広げた長さ。この千杯も深い場所という意味合いで深海をさす。

    地方名・市場名

    トンガラシ
    場所三重県尾鷲市 参考岩田昭人さん 
    ベニエビ[紅蝦]
    場所鹿児島県鹿児島市・串木野 参考鹿児島市田中水産 
    シマエビ[縞えび]
    場所静岡県沼津市 

    生息域

    海水生。駿河湾、遠州灘、熊野灘、高知沖。フィリピン沖、インドネシア、ニューカレドニア、インド洋、オーストラリアなどで見つかっている。

    生態

    第3・第4・第5脚に無数の発光器がある。

    基本情報

    駿河湾以南の底曳き網で水揚げされる多様なエビのひとつ。鹿児島県や愛知県、三重県、静岡県などでは狭い範囲ではあるが流通している。深海性のエビでチヒロエビ科は独特の脂を持っている。食べ方が限定的だが、捨てがたい味わいである。

    水産基本情報

    市場での評価 底曳き網のある沼津、愛知県三河地方、三重県尾鷲以外では、ほとんど流通しない。安い。
    漁法 底曳き網
    産地 静岡県

    選び方

    赤身が強いもの。頭部など黒く変色していないもの。

    味わい

    旬は秋から春
    殻は柔らかい。身は硬くしまっているが独特の脂があり、生で食べるとクセが感じられる。
    生で食べるよりも熱を通して、脂を出して食べて美味。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ヒカリチヒロエビの料理法・調理法・食べ方/揚げる(天ぷら、唐揚げ)、煮る(塩ゆで、煮つけ)



    ヒカリチヒロエビの天ぷら 殻を剥き、尾羽根の先を切っておく。水分をよくきり、小麦粉をまぶして、衣をつけて揚げる。やや低温から上げて、徐々に温度を上げる。中の脂質を出すように揚げるといいと思う。揚げ上がりはさくっとしてエビらしい風味も豊かだ。

    ヒカリチヒロエビの唐揚げ 小さな個体であれば頭部のみ外して、片栗粉をまぶして揚げるのがいちばんおいしい。エビではあるがじっくり揚げる方がうまい。殻が軟らかいのでサクサクとエビの風味も豊かに食べられる。
    ヒカリチヒロエビの塩ゆで 手に入れたらまずはゆでる、というのもいい。このまま置くと劣化が早いし、内臓などが汚くなる。頭部(そのままでもいい)を外し、殻付きのまま強めの塩水でゆでる。これを冷凍しておき、解凍して料理に使うと便利だ。サラダや酢のもの、チャーハンに入れてもうまい。
    ヒカリチヒロエビの煮つけ そのまま醤油味で煮ると微かに独特の脂の臭みを感じる。持ち帰ったらさっと洗い。一度熱湯にくぐらせる。これを醤油・砂糖・酒・水でこってりと煮る。ツノナガチヒロエビほど脂の強い風味はないものの美味。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/田中水産(鹿児島県鹿児島市 ■http://tanakasuisan-kagoshima.com/)
    『原色日本大型甲殻類図鑑』(三宅貞祥 保育社)、『水産無脊椎動物Ⅱ 有用・有害種各論』(奥谷喬 恒星社厚生閣)
  • 主食材として「ヒカリチヒロエビ」を使用したレシピ一覧

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