キアマダイ

Scientific Name / Branchiostegus auratus (Kishinouye,1907 )

キアマダイの形態写真

40cm SL 前後になる。背から眼の前方、吻にかけて直線的。頬には皮下に埋没しない鱗がある(個体によっては皮下に隠れたように見えるものもある)。側扁(左右に平たい)し、全体に赤く背の部分が濃い。鰭(ひれ)、頭部は黄色い。背鰭の前の正中線は黒い。目から口に向かって白い線模様があり、目の後方に三角形の白い部分がない。
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40cm SL 前後になる。背から眼の前方、吻にかけて直線的。頬には皮下に埋没しない鱗がある(個体によっては皮下に隠れたように見えるものもある)。側扁(左右に平たい)し、全体に赤く背の部分が濃い。鰭(ひれ)、頭部は黄色い。背鰭の前の正中線は黒い。目から口に向かって白い線模様があり、目の後方に三角形の白い部分がない。40cm SL 前後になる。背から眼の前方、吻にかけて直線的。頬には皮下に埋没しない鱗がある(個体によっては皮下に隠れたように見えるものもある)。側扁(左右に平たい)し、全体に赤く背の部分が濃い。鰭(ひれ)、頭部は黄色い。背鰭の前の正中線は黒い。目から口に向かって白い線模様があり、目の後方に三角形の白い部分がない。40cm SL 前後になる。背から眼の前方、吻にかけて直線的。頬には皮下に埋没しない鱗がある(個体によっては皮下に隠れたように見えるものもある)。側扁(左右に平たい)し、全体に赤く背の部分が濃い。鰭(ひれ)、頭部は黄色い。背鰭の前の正中線は黒い。目から口に向かって白い線模様があり、目の後方に三角形の白い部分がない。
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★★
      究極の美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アマダイ科アマダイ属

    外国名

    学名

    Branchiostegus auratus (Kishinouye,1907 )

    漢字・学名由来

    漢字 黄尼鯛、黄甘鯛
    由来・語源 岸上鎌吉の命名だと思われる。アマダイで黄色いため。
    アマダイ3種について 〈アマダイは岸上(鎌吉)博士によると三種を區別することが出来て、アカ、キアマ、シラカワの三通りとなる。……〉。岸上鎌吉は3種もしくは2種であると考えていた。『魚と人生』(田中茂穂 楽浪書院 1934)
    〈アマダヒ科アマダヒ屬キアマダヒ〉。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
    アマダイの語源
    甘鯛 甘鯛とあるように肉に甘みがあるから。練り製品などにすると甘味があるため。
    尼鯛 この魚の横顔が頬被をした尼僧に似ているから。
    Kishinouye
    岸上鎌吉(きしのうえ かまきち 慶応3年〜昭和4年 1867-1929)。東京帝国大学教授。動物学者・水産学者。水産学の黎明期に甲殻類、棘皮動物、魚類など様々な分野を研究した。

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。水深30-300mの砂泥地。アマダイ類ではもっとも深い場所に生息。
    千葉県銚子、相模湾、駿河湾、紀伊水道〜九州南岸の太平洋沿岸、若狭湾、島根県浜田市・隠岐、山口県日本海側、対馬、九州西岸。
    東シナ海大陸棚、朝鮮半島南岸、台湾、広東省、海南島。

    生態

    基本情報

    国内でとれるアマダイはアカアマダイを筆頭に、シロアマダイと本種でアマダイ3種という。
    なかでももっとも深い場所に棲み、量的に少なく、値段的にも安いとされるのが本種である。他の二種はそこそこ水揚げがあるが、本種は非常に水揚げ量が少なく、珍しい魚といってもよいくらいである。アマダイ3種の中でいちばん味が劣るという人がいるが、実際に3種を食べて比べていない可能性がある。うまいまずい以前に、あまりとれないので、食べたという人自体が少ないのだ。実食すると実に味のいい魚だということを明記しておきたい。
    また値段も安い、という人がいるが決して安い魚ではない。

    水産基本情報

    市場での評価 関東の市場ではほとんど見かけないもの。値段は一定しないが、高い。
    漁法 釣り、底曳網
    主な産地

    選び方

    赤身、黄色みの鮮やかなもの。触って硬いもの。

    味わい

    旬は冬。秋から春にかけて味が安定している。
    鱗は薄くやや大きい。皮はしっかりとして強い。
    透明感のあるやや赤みがかった白身。あまり繊維を感じない上に水分が多いので鮮度が落ちると脆弱。
    熱を通しても硬く締まらない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    キアマダイの料理・レシピ・食べ方/焼く(若狭焼き)、蒸す(酒蒸し)、生食(昆布締め、刺身)、汁(潮汁)

    キアマダイの若狭焼き 鱗を取らないで水洗いして開く。振り塩をして身を閉じて密閉、1日以上置く。表面に浮いた水分をていねいに取り、適当に切り、七部通り焼き上げる。最後に表面に若狭地(酒・醤油を合わせたもの)を塗りながら仕上げる。これを若狭焼きという。醤油を加えないで酒だけを塗り、焼き上げてもいい。
    表面はこんがりと鱗まで焼き上げているが、中はしっとり蒸し上げたようになる。皮目のうまさなど相まって無類の味になる。

    キアマダイの塩焼き 鱗を取らないで水洗いして開く。頭部を切り取り、振り塩をして1時間以上寝かせて焼き上げる。もちろん体幹部分を焼いてもいいが、なんといっても頭部の皮がごちそうである。焼いてもねっとり感が残り、甘味すら感じられる。身は上質でアマダイ科独特のうま味がある。
    キアマダイの潮汁 鱗を引き水洗いする。刺身などにして残ったあらを集めて置く。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、昆布だしで煮出して酒、塩で味つけする。実にうま味豊かな汁になる。身の甘さも感じられてとてもうまい。
    キアマダイの酒蒸 鱗を引き水洗いする。三枚に下ろして適当に切り身にする。水分をよくきり、軽く振り塩をする。表面に出て来た水分を拭き取り、皿に昆布を敷いた上にのせて酒を振り蒸し上げる。口に入れると程よく繊維質の身は舌の上でほどける。皮と皮の直下、身に強いうま味があってとても味わい深い。
    キアマダイの昆布締 水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、軽く振り塩をする。表面に浮いてきた水分をていねいに拭き取り、もどした昆布で巻き、半日から1日程度置く。やや水深の多い身が塩と昆布でしまり、食感がよくなり、昆布のうま味と身のうま味が相まって非常に美味。
    キアマダイの刺身 鮮度がいいものは刺身にもなる。水洗いして三枚に下ろして皮を引く。比較的薄く切りつける。寒い時季、身に脂が感じられて口の中で甘味が広がる。うま味豊かで味がだれない。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    冬期に相模湾でマダイのコマセ釣りをしていて、水深が深いと本種とアマダイが外道として釣れる。釣り人や船頭はアマダイと区別しない。

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)

    地方名・市場名

    クシ グジ
    場所和歌山県白浜・雑賀崎 参考文献 
    クズナ
    場所徳島県由岐町 参考阿波学会研究紀要・由岐町の魚類と淡水エビ類 
    アマダイ
    場所東京、鹿児島 参考聞取、文献 
    キンアマ
    場所神奈川県江ノ島 参考文献 
    キンクズナ
    場所長崎 参考文献 
    アマデェ
    場所静岡県網代 参考静岡県水産・海洋技術研究所・伊豆分場 
    キアマ
    場所高知 参考文献 
    キンビタ
    場所高知県 参考文献 
    クツナ ムラサキクツナ ムラサキクズナ
    場所鹿児島 参考文献 
  • 主食材として「キアマダイ」を使用したレシピ一覧

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