
殻長8センチ前後になる。貝殻は左右相称ではなく左が深い。全体にふくらみが薄く、貝殻が柔らかい。
-
魚貝の物知り度 |
食べ物としての重要度 |
味の評価度 |
★★★ 知っていたら通人級 |
★★★ 一般的(流通量は多くも少なくもない) |
★★★ 美味 |
分類 |
軟体動物門二枚貝綱ウグイスガイ目ウグイスガイ亜目ウグイスガイ上科ウグイスガイ科アコヤガイ属
|
外国名 |
Akoya pearl oyster, Japanese pearl oyster
|
学名 |
Pinctada martensii (Dunker)
|
漢字・学名由来 |
漢字 阿古屋貝
由来・語源 古くは阿古屋珠(あこやだま)と呼んでいた。愛知県半田市の古い地名から。 |
地方名・市場名 [?] |
|
生息域 |
海水生。房総半島、男鹿半島以南の潮間帯下から浅い水深の岩礁域に棲息。 |
生態 |
雌雄異体で性転換する。
産卵期は5月〜9月。
卵は受精後20日くらいで殻高0.2ミリ前後になり付着する。
外海に面した内湾。
足糸(そくし)を出して浅い場所の岩やロープ、ヤギ類に付着する。
環境が悪くなると
海中のプランクトン、有機性懸濁物(生き物の死体など)を濾過(こして)して餌としている。
■ 真珠養殖
養殖はアコヤガイをカゴなどに入れ、海に垂下(ロープでつるす)する。
付着した稚貝を翌年の3月〜4月に集め、養成場に移す。
稚貝を養成して1年で4.5センチ、2年で5.5センチ、3年で7.5センチ、4年で8センチになる。
4センチほどの貝にアメリカ産の淡水貝などの殻から作った直径1.2ミリの小核を、他のアコヤガイの外套膜を切りとったもので包み、生殖腺・中腸腺近くの組織中に挿入する。
埋め込む核は2個であることが多い。
核を入れてから3年以上で11月〜1月に浜揚げする(真珠を取りあげる)。  アコヤガイの貝殻内
内側に真珠の光沢がある。 |
基本情報 |
真珠貝というほうが一般的。
明治以来、真珠養殖の母貝として有名。
食用としては関東では知名度がなく、西日本、主に四国、九州などで見られるもの。 |
水産基本情報 |
市場での評価 食用としては貝柱だけが流通する。西日本での流通が多く、東日本には来ることは少ない。値段は安い。
養殖
主な産地 愛媛県、長崎県、三重県、熊本県、大分県、佐賀県(真珠出荷高による) |
選び方 |
貝柱の身に張りのあるもの。液がにじみ出ているようなものは古い。 |
味わい |
旬は真珠の浜揚げする(取りだしを行う)冬
真珠の浜揚げは11月〜1月。
食べるのは貝柱。
熱を通すと硬くなりやすい。 |
栄養 |
ー |
寄生虫 |
ー |
食べ方・料理法・作り方 |
貝柱の刺身はバカガイなどと比べると欠けるが、食感が楽しめる。
酢のものなどにすると旨みの薄いところが補えそう。
かき揚げなどにも向いている。  アコヤガイのかき揚げ
アコヤガイのかき揚げ アコヤガイは西日本では冬の味覚。お手軽な値段ながらコリコリとしておいしい。  アコヤガイの刺身
アコヤガイの刺身  アコヤガイの煮もの
アコヤガイの煮もの |
好んで食べる地域・名物料理 |
四国、九州など真珠養殖地帯周辺。 |
加工品・名産品 |
アコヤガイの粕漬け(真珠貝の粕漬け) 三重県。
乾貝柱 貝柱をゆでて干したもの。 |
釣り情報 |
ー |
歴史・ことわざ・雑学など |
ー |
参考文献・協力 |
『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『水産養殖ハンドブック』(大島泰雄 水産社)、『新版 水産動物学』(谷田専治 恒星社厚生閣)、『貝の和名』(相模貝類懇談会) |
-
-
関連コンテンツ