7 cm SL 前後になる。殻表は檜皮状。貝殻は赤みを帯びず、左右相称ではなく左が深い。全体にふくらみが薄く、貝殻が柔らかい。内面は真珠光沢が強い。[三重県鳥羽市安楽島産]
アコヤガイの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★
知っていたら通人級食べ物としての重要度
★★★
一般的(流通量は普通)味の評価度
★★★
美味
分類
軟体動物門二枚貝綱ウグイスガイ目ウグイスガイ亜目ウグイスガイ上科ウグイスガイ科アコヤガイ属外国名
学名
Pinctada fucata (A. Gould, 1850)漢字・学名由来
漢字/球母貝、阿古屋貝 Standard Japanese name / Akoyagai
由来・語源/古くは阿古屋珠(あこやだま)と呼んでいた。愛知県半田市の古い地名から。『目八譜』より。目八譜
1843(天保14)、武蔵石寿(武蔵孫左衛門)が編んだ貝の図譜のひとつ。図は服部雪斎が描く。武蔵石寿は貝類を形態的に類別。1064種を掲載する。現在使われている標準和名の多くが本書からのもの。貝類学的に非常に重要。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。房総半島、男鹿半島以南の潮間帯下から浅い水深の岩礁域に棲息。生態
雌雄異体で性転換する。
産卵期は5月〜9月。
卵は受精後20日くらいで殻高0.2ミリ前後になり付着する。
外海に面した内湾。
足糸(そくし)を出して浅い場所の岩やロープ、ヤギ類に付着する。
環境が悪くなると
海中のプランクトン、有機性懸濁物(生き物の死体など)を濾過(こして)して餌としている。
■ 真珠養殖
養殖はアコヤガイをカゴなどに入れ、海に垂下(ロープでつるす)する。
付着した稚貝を翌年の3月〜4月に集め、養成場に移す。
稚貝を養成して1年で4.5センチ、2年で5.5センチ、3年で7.5センチ、4年で8センチになる。
4センチほどの貝にアメリカ産の淡水貝などの殻から作った直径1.2ミリの小核を、他のアコヤガイの外套膜を切りとったもので包み、生殖腺・中腸腺近くの組織中に挿入する。
埋め込む核は2個であることが多い。
核を入れてから3年以上で11月〜1月に浜揚げする(真珠を取りあげる)。基本情報
房総半島・男鹿半島以南の浅い岩礁域にいる二枚貝。真珠貝というほうが一般的。
明治以来、真珠養殖の母貝として有名。
食用として流通するのは貝柱である。主に西日本で流通しており、東日本にくることは希。
珍しさ度 珍しい二枚貝ではないが、貝殻が流通することはない。海辺などで探すしかない。水産基本情報
市場での評価 食用としては貝柱だけが流通する。西日本での流通が多く、東日本には来ることは少ない。値段は安い。
養殖
主な産地 愛媛県、長崎県、三重県、熊本県、大分県、佐賀県(真珠出荷高による)選び方
貝柱の身に張りのあるもの。液がにじみ出ているようなものは古い。味わい
旬は真珠の浜揚げする(取りだしを行う)冬。真珠の浜揚げは11月〜1月。
食べるのは貝柱。熱を通すと硬くなりやすい。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
アコヤガイの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身)、揚げる(天ぷら)、煮る(醤油煮)、ソテー(アヒージョ)アコヤガイ貝柱の刺身 基本的に貝柱だけで流通する。流通量は少なく貴重である。冷凍物も、生もある。ざっと塩水などで洗う。水分をよくきる。クリックで閉じます
これだけで食べられる。貝柱は食感が強く微かに貝らしい風味があって甘味が強い。非常においしい。
アコヤガイ貝柱のかき揚げ 基本的に生もしくは冷凍で貝柱の状態で流通している。塩水でざっと洗い、水分を切る。小麦粉をまぶして衣をつけて高温で短時間揚げる。揚げた香ばしさの中に強い貝のうま味が感じられる。甘味が豊かで非常に美味である。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
四国、九州など真珠養殖地帯周辺。加工品・名産品
アコヤガイの粕漬け(真珠貝の粕漬け) 三重県。
乾貝柱 貝柱をゆでて干したもの。釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『水産養殖ハンドブック』(大島泰雄 水産社)、『新版 水産動物学』(谷田専治 恒星社厚生閣)、『貝の和名』(相模貝類懇談会)