ツバイ

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殻長90mm前後になる小型のエゾバイ。貝殻は薄く白くて、薄い殻皮をかぶる。手で割れるくらいにもろい。ずんぐり殻長の短いものとややのっぽのタイプがある。殻頂(いちばん先端)部分がすり減って欠けているものが多い。[兵庫県香美町香住 90mm SL、80mm SL、70mm SL]
殻長90mm前後になる小型のエゾバイ。貝殻は薄く白くて、薄い殻皮をかぶる。手で割れるくらいにもろい。ずんぐり殻長の短いものとややのっぽのタイプがある。殻頂(いちばん先端)部分がすり減って欠けているものが多い。[膨らみが強くずんぐりしたもの。新潟県糸魚川 45mm SL、55mm SL]
殻長90mm前後になる小型のエゾバイ。貝殻は薄く白くて、薄い殻皮をかぶる。手で割れるくらいにもろい。ずんぐり殻長の短いものとややのっぽのタイプがある。殻頂(いちばん先端)部分がすり減って欠けているものが多い。[北海道増毛 45mm SL]
殻長90mm前後になる小型のエゾバイ。貝殻は薄く白くて、薄い殻皮をかぶる。手で割れるくらいにもろい。ずんぐり殻長の短いものとややのっぽのタイプがある。殻頂(いちばん先端)部分がすり減って欠けているものが多い。[北海道増毛 45mm SL]
殻長90mm前後になる小型のエゾバイ。貝殻は薄く白くて、薄い殻皮をかぶる。手で割れるくらいにもろい。ずんぐり殻長の短いものとややのっぽのタイプがある。殻頂(いちばん先端)部分がすり減って欠けているものが多い。[北海道3]
殻長90mm前後になる小型のエゾバイ。貝殻は薄く白くて、薄い殻皮をかぶる。手で割れるくらいにもろい。ずんぐり殻長の短いものとややのっぽのタイプがある。殻頂(いちばん先端)部分がすり減って欠けているものが多い。[北海道3]
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
軟体動物門腹足綱前鰓亜綱新腹足目エゾバイ科エゾバイ属
外国名
Tsubai whelk
学名
Buccinum tsubai Kuroda in Teramachi,1933
漢字・学名由来

漢字 津蛽、津貝 Tsubai
由来・語源 富山県の呼び名を標準和名に採用。模式産地は富山湾。

Kuroda
黒田徳米(くろだ とくべい Kuroda Tokubei 1886-1987 兵庫県淡路島)。貝類学者。日本貝類学会創設者で、会長にもなった。同郷の平瀬與一郎の平瀬商店に丁稚奉公にあがり、貝類の収集、のちに分類にたずさわる。
Teramachi
寺町昭文(1898年-1978年/明治31-昭和53)、京都生まれ。画家であるが膨大な貝を収集。テラマチダカラ、テラマチボラなど献名された貝も少なくない。
地方名・市場名

概要

生息域

海水生。水深200〜300メートル。
日本海。
朝鮮半島東沿岸。

生態

右触覚広報に陰茎を持ち、交尾する。
雌は囊に入った卵を産み、幼貝となって出てくる。

基本情報

日本海のやや深場にいる小型のエゾバイ科の巻き貝である。日本海側でのバイカゴや底曳き網でまとまってとれる貝でもある。殻皮が薄いベージュであったり黒かったり、ふくらみが強い弱いなど形態的な変化が多いものの、同定がたやすい。
日本海では安くておいしい貝として人気が高く、いくつかの産地で子供のおやつとなっていた、という話をきいている。甘味があり柔らかいために万人向きの味をしているためだろう。
ロシアバイ(Buccinum rossicum Dall, 1907)と同種とも。

水産基本情報

市場での評価 産地消費が多いようで関東などにはあまり入荷してこない。貝殻がもろく黒いものがあるのでエチュウバイの小型と比べると安い。
漁法 カゴ漁、底曳き網
産地 北海道、秋田県、新潟県、富山県、石川県、福井県、兵庫県、京都府、鳥取県、島根県、山口県

選び方・食べ方・その他

選び方

原則的に生きているもの。粘液などが流れ出していないもの。

味わい

旬は寒い時季だと思うが、年間を通してあまり味が落ちない。
貝殻は薄く、殻頂部がつぶれていることが多い。
泥などを噛んでいることもあるが、洗い流すのはたやすい。
薄いクリーム色の身で、殻高がないので取り出しやすい。ワタの味はくせもなく絶品。


ツバイの下ごしらえ 1 泥っぽいところにいるので貝の表面が黒く汚れていたり、泥を含んでいることがある。この薄汚れているためにあまり値がつかないが、貝の中でもトップクラスの味をしている。
ツバイの下ごしらえ 2 貝殻が壊れてもいいので、流水でざくざくと洗う。泥っぽいのが下にたまるので、何度か水を替える。
ツバイの下ごしらえ 3 ざくざく手荒く洗うので、貝殻が割れてしまうことがあるが一般家庭では気にしなくてもいい。味がいいので貝殻など二の次でいいと思う。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

ツバイの料理・レシピ・食べ方/煮る(塩ゆで、しょうゆ煮つけ、佃煮)、ソテー(アヒージョ)
ツバイの塩ゆで 買い求めてきたら流水などで割れた貝殻の破片やぬめりなどを流す。水分をよく切り、少し強めの塩味で水から煮上げる。煮ても硬くならず、非常に甘味が強い。ワタはうま味豊かで嫌みがない上品な味。

ツバイのしょうゆ煮 水洗いしたツバイは水分をよく切り、酒・みりん・しょうゆ・水を合わせた中に入れて火をつけて煮上げる。甘辛く煮てもおいしいし、酒・塩(酒・しょうゆ)で淡い味つけにしてもいい。
ツバイの佃煮 水洗いして貝殻を割りながら剥き身にする。薄い塩水で軟体部分の汚れや貝殻を流す。水分をよくきる。これを酒・みりん・醤油を煮立てた中で、煮汁をからめながら煮上げる。濃い味つけで煮ても硬くならず、身の甘味や貝らしい風味が感じられる。ワタも非常にうまい。
ツバイのアヒージョ 水洗いして貝殻を割って剥き身にする。薄い塩水の中で軟体の汚れや貝殻を取り去り、水分をよくきっておく。火にかけられるパンやカスエラにオリーブオイル、にんにく、唐辛子などを入れ、下ごしらえした剥き身を入れて火にかける。剥き身もうまいが、うま味を含んだオリーブオイルも美味。

好んで食べる地域・名物料理

日本海周辺。非常に人気が高いので産地同士での流通を見かけることも多い。


中ばい煮 山陰から北陸、新潟県、北海道までの日本海側ではスーパーなどでも普通に見かけるもの。鮮魚店、スーパーの総菜売り場では煮たものが売られている。

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど

地方名・市場名

ショウバイ[小貝]
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)  場所北陸 
ツンコバイ
場所富山湾 
チンコバイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所富山湾 
コバイ[小貝] タニシバイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所富山県 
ダゴバイ[田子貝]
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所富山県富山・魚津 
チバイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所富山県新湊 
ツバイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)  場所富山県新湊 
タノシ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所富山県滑川 
イリガシバイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所富山県魚津 
マッチョモ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所富山県魚津市 
バイガイ バイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)  場所新潟県、富山県、石川県、福井県 
シリグロ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所新潟県上越 
ケツグロ[尻黒]
参考鮮魚 丸和(富山県魚津市)、『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所新潟県両津・上越、富山県魚津 
チュウバイ[中ばい]
参考20180723 場所新潟県新潟市 
クロバイ[黒バイ]
参考松澤周一さん(新潟県糸魚川市) 場所新潟県糸魚川市 
タラバガイ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)  場所石川県宇出津 
ウミツブ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所秋田県能代・男鹿半島・八森 
タニシミナ
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所長崎県対馬 
ヨナキガイ
参考文献 場所福井県 
シロバイ[白バイ] シンコバイ