202508/11掲載

和名が消えるかもわからない、ツバイ

子供のおやつにもなったという甘味のある優しい味

ツバイの塩ゆで

ツバイは小型の巻き貝なので主に煮つけや塩ゆでで食べられている。
身(軟体)は取りだし安く、煮ても軟らかく、甘味が強い。
ワタに苦みがなく味わい深いので子供にも人気がある。
安い上に、甘味があるので日本海側ではおやつとして食べたという人も少なくない。

黒くて先が潰れているものが多いのも特徴

ツバイの荷

食用種の多いエゾバイ科の中でもエゾバイ属(エゾボラ属は唾液腺に弱い毒を持つ)なので無毒である。
エゾバイ属でも貝殻が薄いベージュで白っぽいタイプに属している。
殻長付近が黒く汚れていることが多く、また殻長が潰れているものが多く混ざるのも特徴である。
この白っぽい日本海のエゾバイ属で大きなものは、カガバイ、「白ばい(エッチュウバイ)」、オオエッチュウバイがいる。
本種はこの大型の白っぽいエゾバイ属と一緒に揚がる。

同じような小型のエゾバイ属には北海道太平洋側のクシロエゾバイ、オホーツク海のロシアバイなどがある。
本種はロシアバイと同種だという見解があり、先々、本種かロシアバイの標準和名が消滅する可能性が高い。
大きくなるものは刺身などにもなるが、本種はもっぱら加熱用である。

日本海では一般的だが太平洋側では珍しい

小さなツバイ

日本海側ではスーパーなどでも普通だが、太平洋側の消費地に来ることは希である。
また、日本海側での呼び名が非常に多い。
これは白ばい(エッチュウバイ)などと比べて水揚げ量が少ないためだと思われる。
煮て食べる巻き貝としてはトップクラスのおいしさで、水揚げ量が少ないのが残念である。

このコラムに関係する種

ツバイのサムネイル写真
ツバイTsubai whelk海水生。水深200〜300メートル。日本海。朝鮮半島東沿岸。・・・・
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