202511/11掲載

10度以下の夜の、今季初白子鍋

昆布の上で白子が揺れる季節となり


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に待ち望んでいた乳白色の物体が来ていた。
節約生活なので我が家でいちばん小さな鍋一つ分だけ買ってきた。
財布の中身を考えながら魚貝類を買う、なんて悲しいボクなんだろう。
脳みそが計算機になっていたので産地を聞き忘れた。
北海道産だろうな。

それにしてもマダラの白子は年々値が上がる。
マダラの世界がますます男尊女卑となりそうである。

さて、逢魔が時になり、久しぶりにぐれてやろう。
早めの酒としようではないか、と思ったがぐっと我慢、もう一仕事する。
窓を開けると冷え冷えした深夜に白子を処理する。
我が家最小の鍋にもどした昆布を敷き、昆布だしをそそぐ。
昆布だしの中で白子がときどきどくん、どくんと揺れる程度に温める。

クリーミーなどという言葉を使いたくないが、非常に柔らかく舌でつぶすととろりとして甘い。
甘いだけではなく非常にうま味が強い。
その味がちゃんと余韻を残して消える。
この余韻こそが白子のよさかも。

さて、出来上がったとき、飲むための酒を持ってこようとしたらなかった。
探しに探していたら、眼の前の本棚に菊正宗の樽酒があるではないか?
買った覚えがないし、箱入りなので誰かがくれたのかも。

今回の最小鍋には、ほんのわずか80グラム白子、次回はせめて100グラムかな。

マダラ本体よりも遙かに貴重な白子


マダラの白子は最近では9月になった途端入荷してくる。
もっと早いかも知れない。
ただ走りの白子は赤いし、透明感がある。
乳白色に濁って初めての白子である。

白子は食べやすい大きさに切るとともに筋を取りさる。
包丁よりもキッチンバサミの方がやりやすい。
ざっと塩水で洗い、水分を切る。
昆布を敷いた鍋に昆布だしを張り、酒・塩で味つけ。
白子を温めながら、酢みかん・醤油、ポン酢などで食べる。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。

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