202511/11掲載
10度以下の夜の、今季初白子鍋
昆布の上で白子が揺れる季節となり
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八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に待ち望んでいた乳白色の物体が来ていた。
節約生活なので我が家でいちばん小さな鍋一つ分だけ買ってきた。
財布の中身を考えながら魚貝類を買う、なんて悲しいボクなんだろう。
脳みそが計算機になっていたので産地を聞き忘れた。
北海道産だろうな。
それにしてもマダラの白子は年々値が上がる。
マダラの世界がますます男尊女卑となりそうである。
さて、逢魔が時になり、久しぶりにぐれてやろう。
早めの酒としようではないか、と思ったがぐっと我慢、もう一仕事する。
窓を開けると冷え冷えした深夜に白子を処理する。
我が家最小の鍋にもどした昆布を敷き、昆布だしをそそぐ。
昆布だしの中で白子がときどきどくん、どくんと揺れる程度に温める。
クリーミーなどという言葉を使いたくないが、非常に柔らかく舌でつぶすととろりとして甘い。
甘いだけではなく非常にうま味が強い。
その味がちゃんと余韻を残して消える。
この余韻こそが白子のよさかも。
さて、出来上がったとき、飲むための酒を持ってこようとしたらなかった。
探しに探していたら、眼の前の本棚に菊正宗の樽酒があるではないか?
買った覚えがないし、箱入りなので誰かがくれたのかも。
今回の最小鍋には、ほんのわずか80グラム白子、次回はせめて100グラムかな。

