202511/07掲載

山口県産汐っこの刺身と焼霜造り

久しぶりに食べる汐っこがいいじゃありませんか


1980年代くらい、初秋(9月)、築地場内に行くと「汐っこ(「しょご」ともカンパチの1㎏前後以下)」が出始めており、季節を感じて仕入れていく人が多かった。
「汐っこ」は関東では秋の季語にしたいほど、秋に漁の最盛期を迎え、人気があった。
だから秋になると必ず真っ先に「汐っこ」を買っていたが、今や「汐っこ」の存在感はほぼない。
年がら年中、カンパチの成魚が入荷しているし、「汐っこ」自体が秋の汐(潮)とは無縁になったからだ。

秋だから「汐っこ」を買ったのではなく、めぼしいもの、買い頃なものがなかったという消極的な理由で買った。
ただし買って正解だった。
山口県下関市、『下関勇次水産』は扱いがていねいで血抜きも完璧である。

刺身は脂の乗りはほどよく、上品な味わいでほの甘くしっかりブリ属らしいうま味が感じられる。
ほどよい食感があり、後味がいい。
同サイズのブリは値がつかないのに、カンパチには値がつくのはこの食感と後味のせいかも。

焼霜造りには酢みかんが合う


腹の部分はあぶりにしたが、きりつけた身に、高知県で買い求めた酢みかん、「ぶしゅかん(もちゆ)」の皮を散らし、果汁を振る。
これまた高知県宿毛市の甘口のフンドウカネカ醤油で食べる。
皮目の香りにおいしさ、皮直下の脂の甘さなど味に奥行きがある。
日本酒がすすむ秋の夜、だった。

季節感を失った汐っこだけど大当たりだった


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産山口県下関市、『下関勇次水産』から「汐っこ(カンパチの若魚)」39cm・1.084kが来ていて、とりあえず確保するg
毎年秋(気象庁の定義する秋で9月から11月)になると食べたくなるのが、のこ「汐っこ」である。

3枚に下ろして腹骨を取り、背と腹にわける。
背は皮を引き、刺身にする。
腹は皮をあぶって少し冷蔵庫で皮を落ち着かせて刺身状に切る。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。

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