エゾボラ
代表的な呼び名マツブ
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珍魚度・珍しさ | ★★★ がんばって探せば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★★ 知っていたら通人級 |
食べ物としての重要度 | ★★★ 一般的(流通量は普通) |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
概要
生息域
海水生。水深10m〜1220m。
北海道以北に棲息しているが道東に多いと思われる。
生態
産卵期は11月中旬から4月。
基本情報
総て北海道産。エゾボラ(ツブ)類では比較的同定がたやすく、もっとも大きくなる。
流通量が多く、生食用(刺身用)巻き貝としては一般的なものでもある。現在、生食用巻き貝として不動の人気があり、値段はエゾボラ類の中ではもっとも高く、品薄になるとキロ単価が15000円以上になる。
本来北海道限定の味わいだったが、非常に人気が高くなり1990年代には全国的に流通するようになった。
貝らしい味わい、そして強い食感が楽しめる。しかも足(可食部)は薄いクリーム色で見た目が美しい。
珍魚度 珍しい貝ではないが、一般的な小売店ではまず売られていない。品薄になるとアワビ以上の値をつけるなど、探して高値でも買う気があれば手に入る。
水産基本情報
市場での評価 関東など市場には入荷量の多いつぶ。北海道道東「つぶ」のなかではもっとも値段が高い。今や定番化している。大きいほど高いが、小さくても決して安くはない。
漁法 カゴ漁
産地(漁獲量の多い順) 北海道
選び方・食べ方・その他
選び方
原則として生きているもの。持ち重りのするもの。
味わい
味は大小に関わらない。大きい方が歩留まりはいい。
貝殻は硬いが薄く、簡単に穴が開けられる。軟体(足)が取りだし安い。唾液腺を取り去ってから料理すること。
可食部に目立った斑文がなく薄いクリーム色。食感は強い。
栄養
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危険性など
唾液腺にテトラミンをもつ。テトラミンはNeptunea(エゾボラ属)の巻き貝の唾液腺に含まれるもので、足を割るとクリーム色の柔らかなゼリー状の物体がある。これが唾液腺。ここにテトラミンが含まれている。テトラミンはNeptunea(エゾボラ属)以外にはスルガバイ(エゾバイ科エゾバイ属Buccinumのスルガバイ、フジツガイ科のアヤボラなどにも含まれる。食べると後頭部の激しい痛み、目眩、酒に酔ったような状態になり、吐き気、眼底の痛みをともなう。発症する唾液腺の量は個人差がある。
食べ方・料理法・作り方
貝殻から筋肉をぬく。唾液腺をとり、最初はなにもつけずもみ洗い。出て来たぬめりを流して、今度は塩をつけてもむ。ざっと洗い水分をよくきり、薄切りにする。盛りつけに貝殻を使ってみた。
昆布だしを取り、酒、塩で味つけする。冷凍庫に入れてシャーベット状に。下処理したエゾボラの足の部分をできる限り薄く切り、皿に盛り、シャーベッド状の昆布だしを加えてすだち、山椒の葉(実)などを飾る。
剥き身にして足とわたの間にある消化器官を取る。ワタは塩ゆでにする。足の部分はぬめりをもみ出したら、表面を直火であぶる。一度冷水に取り、水分をよく拭き取り、薄く切りつける。
小振りのものを選んでざっと表面を洗い、足をフォークなどで引き出し刃物で裂く。唾液腺を取り去り、水分をきって焼く。味つけは酒と醤油。
剥き身にして適当に切った本種の軟体を入れる。大量のにんにく、オリーブオイルを加えて火をつける。オイルが泡立ち、身に火が通ったら出来上がり。
筋肉は刺身と同じように処理し、適当に切る。調味料(鶏ガラスープの素・塩・酒・水)を合わせて置く。野菜はお好みで。「つぼみな」は適当に切る。油を熱し、さっと炒めて、調味料をからませる。いかに短時間で作るかが勝負だ。
刺身と同様に処理をする。ぬめり取りは刺身ほどていねいにしなくてもいい。適宜に切り、ニンニク風味のバターでソテーしたもの。
足の部分は滑りを刺身と同じ要領でもみ出して適宜に切る。これに小麦粉をまぶし、衣をつけて高温で短時間揚げる。
小振りのものを塩ゆでにする。そのまま鍋止めにする。身を抜き出して足の唾液腺を取る。そのまま少し煮汁の中で寝かせる。
刺身同様に処理したものを、少量の水と酒・塩でむき身を蒸し煮にしたもの。熱を通しても身は硬く締まらず、煮た分、甘味が増している。ワタの部分も味がいい。
刺身同様に処理をする。適当に切り、醤油・みりんに漬け込む。水飯の用意をしてつけ汁ごと貝の身を加えて炊飯する。
好んで食べる地域・名物料理
もともとは北海道で一般的な食用貝だったが今や全国的なものになっている。
加工品・名産品
釣り情報
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歴史・ことわざなど
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