202408/24掲載

エゾボラは真ツブでAツブで刺身ツブで

今や高級貝の代表的なものである


食用としている軟体動物貝類(軟体動物のタコやイカ、ウミウシを除く)の基本的なものを挙げて行く。学者とか貝に興味がある人のレベルは除く。知っていると生活に生かせるレベルのものだけにした。基本的食用貝類の覚え書きだ。

エゾバイ科エゾボラ属エゾボラという巻き貝の話。(科や属などの階級は知らなくてもいいけれど知って置くとのちのち便利)
本種は普通の食用貝だけど、知っていたら、貝に関しては通人である。

市場では標準和名ではなく「真ツブ」とか「Aツブ」と呼ばれることが多い。BがあるからA、真ではない同じような貝がいるから真で、このエゾボラ属ではもっとも味がよくて、値段の高い種でもある。
消費地のスーパーなどに並ぶことはなく、一般小売店の中でも高級魚店かデパート・高級スーパーでしか買えない。

貝殻はごつごつして板が剥がれて割れたようになっている


エゾボラ科の巻き貝は、北極に近い海域から赤道を越えて熱帯域に膨大な種が存在するが、エゾボラは国内では北海道太平洋・オホーツク海以北に生息している。
北海道特産の巻き貝である。
非常に大きくなる巻き貝で貝殻の高さが20cm・1㎏以上になる。貝殻は薄い茶色もしくは赤みを帯びた茶色。貝殻は薄いがとても硬く、いちばん上(殻頂)がとんがっていて、真ん中が膨らんでいる。貝殻の表面はごつごつしてところどころ板が剥がれたようになっている。

エゾバイ科にはテトラミンという貝毒(死にいたるような強い毒ではない)をもっているグループ(エゾボラ属)と、持っていないグループに分かれるが、本種は持っているタイプである。
上の階級のエゾボラ科エゾボラ属というグループがテトラミンを持っているグループだと知っていると便利だ。

刺身にするのは筋肉、すなわち足だけだ


北海道の白老で「刺身ツブ」という人に出会っている。この言語は一般的ではないが、基本的に刺身にして食べる。
主に刺身にして食べるから、生きている状態で100gで2000円なんて信じられない値段がつくこともある。国内ではなく国外需要のせいらしいが、今や刺身にできるかできないか、は大きな問題なのである。

ちなみに煮ても焼いても非常においしい。

このコラムに関係する種

エゾボラのサムネイル写真
エゾボラEzo-neptune, Whelk, Winckle海水生。水深10m〜1220m。北海道以北に棲息しているが道東に多いと思われる。・・・・
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