202507/17掲載

浜松市雄踏海老仙、ウナギの白焼き

1尾分の白焼きを買ったら半々別々に食べる


せっかく浜名湖に行ったのだからと、お世話になっている『海老仙』さんで白焼きを買わせていただく。
へそ曲がりと言われそうだが、7月も土用丑の日にはウナギ(ニホンウナギ)を食べない。
お盆過ぎくらいまでは食べないので、これをウナギの断(だん)と勝手に呼んでいる。
なぜなら店で食べるとして行列嫌いだし、取り寄せはしないし、安すぎて自然破壊になりかねない大量生産、冷凍ウナギ、輸入ウナギは買わないからだ。

『海老仙』さんの白焼きをみると、背開きである。
食べたら地焼き(蒸しの工程がない)である。
厚みがあって膨らみを感じる。
早朝のウナギ水揚げや、裂いているのを見ているので、水揚げし、泥抜きを終えた個体を揚げてすぐに裂いて、焼いたものであることがわかる。

帰宅当日深夜は、白焼きの尾に近い部分をそのままあぶって酒の肴にする。
浜名湖はそんなに遠くはないものの、往復の運転で体の底の方に疲れがたまっている。
仮眠してもこの疲れの塊はとれない。
これをウナギで追い払う。
冷めた白焼きは少しあぶると表面に脂が滲み出してきて、泡立つ。
ふっくらした感じが戻る。
おいしい白焼きはわさび醤油が合う。
この日は静岡県藤枝市、『志太泉 生酒』の冷え冷えを2合も飲む。
あとは深い眠りにつくのみである。

ご飯の上にウナギの蒲焼きは理想の景色、でもある


翌日は平凡ながらうな重。
白焼きをあぶってタレを塗り、また少しあぶる。
タレを点々と落としたご飯の上にウナギの前半部分を乗せて……。
あとは書かなくてもわかると思う。
国産ウナギはやはり、それなりの値段だが、白焼きを買って、自分流に食べたら、安くつく。
名店にはかなわないが、とてもうまいうな重が自宅で楽しめる。
これより一月のウナギ断ちに突入する。

ウナギは裂く技術の発達から料理屋の料理になる


ニホンウナギは北海道から九州、少ないが琉球列島の河川に遡上する。グアム沖で生まれた仔魚が暖流にのって北上するが、その流路である臺灣や中国大陸にも生息している。
今のように人間の手で破壊し尽くされる以前の昔の河川はウナギだらけだった気がする。
古くから食べられてきた魚だが、料理店の料理となったのは江戸時代からだ。

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