202510/20掲載
小田原魚市場、ヒメコトヒキのうまさにビックリ
こんな刺身は初めてかも知れない

軽く眠っただけで、元気なくたどり着いても小田原魚市場をひとまわするとシャキッとはしないけど、ある程度はしゃんとする。
ただし残念なことに、むりやり来たので目が見えていない。
オヤビッチャの隣にコトヒキがいる、と思ったら二宮定置の山崎さんが、「ヒメコトヒキですね」、といってくれた。
めったにとれないし、売れない魚なので意外に手に入れるのが難しい。
いいわけがましいが、元気なら真っ先に見つけたはずなのに、疲れすぎているので反応できなかった。
ヒメコトヒキにしては非常に大きい、と言っても体長14cm・83g しかないが、相模湾では最大級だろう。
触ったら硬いというか身がぎゅうぎゅうに詰まっているようだ。
表面の手触りに脂感がある。
下ろしてみたら、もっとすごかった。
本種の身色がこんなに美しいとは思わなかった。
血合いの赤味こそ弱いが脂が層をなしている。
くせのない上質の白身で下にねっとりとからみつく。
そこに脂の口溶け感がある。
刺身としては今年いちばんかも知れぬ。
あぶってみたら、より味わい深くなったが、やりすぎかも

ついでなので焼霜造り(あぶり)にもしてみた。
強い火であぶり、氷水にとって水分を切り刺身に。
皮が硬いので思い切って強くあぶったのが正解だった。
あぶった香りがよく、柔らかくなった皮に豊かなうま味がある。
夕方なら酒だけど、高知県の土佐番茶で舌を洗う。