ヒメエゾボラ
代表的な呼び名青ツブ
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料理法・レシピ
マツブなどテトラミンのあるエゾボラ属の仕込み
魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
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食べ物としての重要度 | ★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
分類 | 軟体動物門腹足綱前鰓亜綱真腹足目エゾバイ科エゾボラ属ヒメエゾボラ亜属
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外国名 | Whelk
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学名 | Neptunea (Barbitonia) arthritica (Bernardi,1857)
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漢字・学名由来 | 漢字 姫蝦夷法螺 平瀬與一郎 hirasei, hiraseana, Neohirasea(平瀬與一郎 安政6-大正14 1859-1925 兵庫県淡路島福良)。京都で『平瀬商店(平瀬種禽園)』をいとなみ標本、特に貝殻を商い海外に輸出。貝類学の嚆矢。同郷の黒田徳米は同商店で丁稚をしながら貝類学を学ぶ。 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水生。潮間帯から水深100メートルくらいの浅場。
千葉県、茨城県、日本海以北。
生態
雌雄異体。
交尾により体内受精。
北海道では春から夏に産卵。
魚貝類の死体や小型の動物を食べている。
基本情報
関東にも、東北などから入荷してくるもので量的にも少なくない。流通上は「あおつぶ」だ。もともとは北海道道東などでの呼び名だが関東では完全に「青つぶ」でわかる。北海道で名物とされている「焼きつぶ」の材料は本種である。
味にいい巻貝で刺身に煮物に焼き物にといろいろ使える。その上、「まつぶ」と比べて安いのもうれしい。刺身はエゾボラより粘液が多いように感じるが味は遜色ない。剥き身にして、もしくは殻のまま茹でて取り出し、唾液腺(テトラミン)を除いてから殻に戻す。これを殻のまま焼いてしょうゆを垂らすのが「焼きつぶ」である。しょうゆの焦げた匂いに食欲をそそられる。
水産基本情報
市場での評価 都市部に入荷してくるツブの仲間では安いもののひとつ。関東などでは常磐三陸など産地が近いので市場で見かける回数は多い。
漁法 カゴ漁
主な産地 北海道、福島県、宮城県、岩手県
選び方・食べ方・その他
選び方
原則的に生きているもの。持ち重りして、蓋などを触ってよく動く、もしくは急激に引っ込むもの。
味わい
足(刺身にする部分)はクセがなく、貝特有の臭みもない。
甘みがあり、食感もいい。
ワタなどから濃厚なだしがでる。
1:殻ごと茹でる。または貝殻に小さな穴をあけて取り出す。サザエ用の貝棒をつかってもいい。
2:殻から身をとりだし、唾液腺を外す(画像はクリーム色の唾液腺をとっているところ)。焼きツブを作るとき、見た目を考えるなら蓋を外さない方がいいかも。
栄養
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危険性など
テトラミンは主にNeptunea(エゾボラ属)の巻き貝の唾液腺に含まれる。足を割るとクリーム色の柔らかなゼリー状の物体がある。これが唾液腺。ここにテトラミンが含まれている。Neptunea(エゾボラ属)以外にはスルガバイ(エゾバイ科エゾバイ属Buccinumのスルガバイ、フジツガイ科のアヤボラなどにも含まれる。発症する唾液腺の量は個人差がある。食べると後頭部の激しい痛み、目眩、酒に酔ったような状態になり、吐き気、眼底の痛みをともなう。
食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
焼きつぶ 北海道。ゆでてテトラミンをのぞいたものを、貝殻に戻してタレを入れて焼いたもの。年間を通して安定的な漁獲量があるので、値が安く。道民の日常的な味となっている。
加工品・名産品
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釣り情報
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歴史・ことわざなど
第二次世界大戦中、酒が手に入らなくなり、代わりに本種の唾液腺を食べて酔いを楽しんだと言われている。本種をたくさん食べるとテトラミンのために酒に酔ったような状態になる。
地方名・市場名
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所北海道、岩手県、陸奥湾
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所北海道函館・稚内
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所北海道増毛
場所北海道奥尻島
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所北海道岩内
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所北海道道南
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所北海道道南・小樽
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所北海道道南・岩内・利尻
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所北海道道南・渡島・福島、青森県下北半島・八戸
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所北海道道南地方
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所北海道道南渡島・福島
参考荷 場所宮城県
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所富山県富山市
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所岩手県陸前高田市小友町・米崎町・高田町
場所東京都、青森県佐井村・むつ市大畑、北海道などで
場所青森県
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所青森県下北半島
参考20191218木下 場所青森県下北郡佐井村矢越
参考『新北のさかなたち』(水島敏博、鳥澤雅他 北海道新聞社) 場所アイヌ語