小田原産小スマの刺身
小さいからと言って侮ってはいけない、それがスマ
まさかこの若いスマを食べてみようとは思いもしなかったので、一切れつまんで、気もそぞろになる。
大漁だった二宮定置に、たった1個体混ざっていてくれて、まことにありがとさん、としか言いようがない。
サバ型類(亜目にあたる)の旧カツオ科であったスマ、マルソウダ、ヒラソウダ、カツオの特徴は小さくても味があることである。
これを忘れていた自分の不覚を感じないではいられない。
ものすごくうまいのである。
豊かな呈味成分が舌に広がる。
食べる直前に薬味の野菜と辛味を混ぜ、醤油とカボスで味加減する
刺身にしにくい血合いを避けたので細長くなったのを、腹側の皮つき、背側の皮なしと一緒に薬味の野菜と混ぜこぜにする。
ねぎ、みょうが、辛味の三重県尾鷲市の虎の尾だけど、かぼすに醤油で和えて食べたら止まらない。
野締めのマサバの下に埋もれていたのに鮮度的にもよく、食感が豊かだ。
相模湾は美味の宝庫である。
シャワーを浴びて刺身を前にしたのが午後3時前、ビールを飲むわけにもいかないので冷やした凍頂烏龍茶で我慢したけれど、満足度高し。
相模湾北部ではそれほど顕著な増え方ではないが
8月26日の神奈川県小田原市、小田原魚市場、二宮定置は大漁だった。種類も多く、今の時季、なくてはならないメイチダイもたっぷりとれていた。
二宮定置の若い衆たちもてんやわんやの忙しさ。
そんな最中、稚魚や変わった生き物を探す、ボクはただの邪魔者でしかない。
忙しく、めまぐるしく動いていた若衆が手渡ししてくれたのがスマの若い個体(体長26cm・234g)である。
1980年代、相模湾に北部スマはあまりいなかった。最近でもあまり多いとはいえない。ハマフエフキとかメイチダイのように激的に増えることもない。ただ、この若い個体は印象的である。
ひょっとしたらスマもヒラソウダ並みに揚がるようになるのかも知れない。
さて、あくまでも計量と撮影のためだけの魚は、大量の魚の中で真っ先に処理をする。
計量しながら身のよさを感じたので、三枚に下ろしてペーパータオルでくるんで冷蔵しておく。
10時前に帰り着いて、魚の最低限の処理が終わったのが、2時半であった。
三枚に下ろしたスマを背と腹に分ける。
腹は皮付きのまま切りつける。
背は皮を引いて切りつけた。
薬味の野菜とかぼすを添える。