酷暑なのでスマと夕顔の韓国風スープ
うま味豊かすぎるスープにあんまり辛くない唐辛子
あご煮干(平戸市)だしのうま味に、振り塩をしておいたスマのあらから濃厚な味が水に溶け込んでいる。
塩気がちだが、韓国唐辛子のほどよい辛味がきて、抵抗なく体の隅々に行き渡る。
スマと夕顔だけのスープだとは思えない妙がある。
味のない表面だけしか火が通っていない夕顔の実が、とてもいい役をこなしているのである。
味はないけど独特の食感とボリューム感がある。
冬瓜でもいいが、冬瓜以上に味がない夕顔は融通無碍でいい。
源氏物語は読んだことがないが、夕顔という登場人物はやはり夕べに咲く清楚な白い花のような女性かな?
その夕顔の花の先に、こんなにでかい実をつけるとは光源氏も知るまいに。
この国がより無国籍になって普通の野菜に返り咲く
スマは、八王子綜合卸売センター、福泉で買った鹿児島県産で、全長48cm ・1.594kgなので決して大型ではない。
刺身などいろんな料理に使って、残ったのは中骨半分と背の鰭に近い部分、腹身だけ。
スマは鮮度落ちが早いので振り塩をして保存して置いた。
合わせたのは夕顔である。
夕顔は国内では古代から栽培されてきたもの。
たぶん源氏物語の夕顔もこの植物の花だけからの着想だろう。
朝顔、昼顔はヒルガオ科の植物で実をつけないが、夕顔はウリ科なので実をつける。
日本全国で食べられている野菜だが、年々マイナーな存在になっている気がしていた。
まん丸いのと細長いのがあり、八王子綜合卸売センター八百角に入荷をみているのは細長い方である。
店頭で見ていても、どちらかというとベトナムの方達が買っているようだけど、何に使うのか聞きたくてうずうずする。
消費減であった夕顔を、復活させているのはベトナムをはじめとする東南アジアの人達のようでもある。