網代漁港のばらばらな魚でごった煮
無残でごったごっただけれど、味は変わらない
静岡県熱海市、網代漁業、網代魚市場で分けていただいた、いろいろな魚を一緒に煮つけにする。ダメになりそうな大根も一緒に煮たので、我が家の経済にもよろしいかも。
このいろんなものを一緒に煮ることを「ごった煮」といい、庶民の経済だけではなく地球に優しいのだという話をしたい。
若い世代で温暖化に関して危機感があるとかの報道があるのに、かたや膨大な天然飼料を膨大なエネルギーを使って消費し、温暖化を急激に進める養殖サーモンのブームだとか、遠く南氷洋まで膨大なエネルギーを使っての捕鯨の復活だとかを、まるで喜ばしいかのごとき報道がなされている。
核の脅威に終末時計があるなら、生の無駄使い、エネルギーの使いすぎにも終末時計があってしかるべきだ。
人間は、生をほとんど総てを地球の生き物から得ているのに、その生き物を追い込んでもいいのか? をまったく報じない。
漁師さんなどの「ごった煮」は野菜は少しだけで様々な魚介類をごったに煮たものをいう。卑小なことのように思われるかも知れないが、ここに生物の生存確率を上げ、水産業の未来を明るくする可能性を感じる。
兵庫姫路市の沖合いに坊勢島がある。ここで御馳走になった「ごった煮」は、底曳き網の水揚げの情景が見えるようなものだった。いろんな魚が混じることで生まれる味の相乗効果があるし、底曳き網の魚を無駄なく食べる知恵もある。富山県氷見市の「かぶす汁」にもそれがいえる。
消費者も、野菜でも刺身の残りでも、スーパーで特売しているあらでもなんでもかんでも放り込んで「ごった煮」を作ろうよ、といいたい。
まさかこれが捨てる魚で出来ているなんて思いもしないはず
今回のものは定置網でつぶれた魚や、1個体しかとれなかった魚を煮つけたものだけど、作ってみると、こんなうまいものを捨てていたのかとビックリする。
作り方は煮つけに同じ。
大根は適当に切り、下ゆでする。
マアジなどを水洗いする。
適当に切り、大根を下煮した湯で湯引きする。
冷水に落として残った鱗や内臓などを流し、水分をきる。
これをみんな集めて酒・みりん・醤油・水でごったに煮る。
問題有りの魚3種がやたらにいい味を出している。
魚もうまいし、汁など恐るべきうまさである。
だしを吸った大根はそれだけでおかずになる。
これなど漁港のある町の名物にするとイケルと思うけどな。
林さんをはじめ、網代漁業のみなさんに感謝。
網代漁業
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