重宝します、ヒガンフグの塩もん

塩蔵品を作るのは非常に単純で簡単


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産、クマゴロウはフグ調理師である。時季にはいつもフグを在庫として持っている。4月になれば、フグも終い、終いのフグと言えばヒガンフグである。
以上は以前書いたこと。
ヒガンフグを買った目的は塩蔵ものを作るためだ。フグ科トラフグ属の魚は塩もの向きだと思っているので、じょじょに全種で作っていきたいと考えている。
ヒガンフグはみがいて(毒を除去し)、三枚に下ろす。両側の身にべた塩をつけて、数時間ごとにひっくり返す。
これを2日くらい続ける。
表面の塩を洗い流し、水分を切り、ビニールなどに密閉する。
数日間寝かせる。(今回は1週間)

焼いたときの香は天下一品


適当に切って焼き上げる。
このまま鮭の魚にしてもいいし、和え物に使ってもいい。
ご飯を食べてもやたらにうまいし、お茶漬けなど最高である。

ご飯との相性がとてもいい


このまま食べてもいいが、お握りに入れるとなおおいしい。
淡泊な白身だが、寝かせるとぐんと味わい深くなる。
味に奥行きが生まれ、焼き上げると香りがいい。
このフグだけの塩気のお握りがやたらにうまい。
今回はもとからご飯と合わせるために作ったが、これほど、ど真ん中に当たったことはかつてない。

塩味(しおあじ)は塩フグの塩気のみ


せっかくなので、出盛りの野ゼリと合わせて焼き飯(チャーハン)を作る。
作り方は書くまでもないが、一様。
塩フグは細かく切る。
フライパンにフグの切り身と油を入れて火をつけてゆっくり温める。
この間に油の中に塩気とフグのうま味が移る。
ここに溶き卵を入れ、飯を入れて炒め、炒め揚がりにゆでてあく抜きした野ゼリを加える。
彼岸はとおの昔に過ぎたが、野ゼリとヒガンフグで、これも明らかに春の味。
実に香りよく、塩気がちょうどよくておいしすぎる。


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