ボクのイカ学、アカイカ科の眼は剥き出し
アカイカはスルメイカに近い種で目ん玉も剥き出し
アカイカ科のスルメイカなどと、ヤリイカ科のヤリイカなどはどこが違うのか? を少しずつ。
だいたい見た目が大いに違っているので、そんなことどうでもいいだろう、と思う人が多いのではないか。
ただ、どこがどう違うか、と思った人も少数派には違いないがいるはずである。
同じような姿で、同じように貝殻の名残が薄いフィルム状で、頭に思えるお尻にエンペラ(鰭)があるので、比較的近い生き物だと思っていないだろうか?
この2種の間には分類学的には、深くて暗い河が横たわっているのだ。
スルメイカやヤリイカは巻き貝、二枚貝と同じ軟体動物(門)である。頭と思える部分がお尻で、足(腕、どっちでもいい)が生えているつけ根が頭だ。頭から足が生えているので頭足類という。
頭足類にはタコの仲間もいる。タコの八ちゃんというのは足(腕)が見た目からして8本だからだ。それではイカは10本だ、というとそんなに単純ではない。移動手段としての足(腕)は8本で、別に触腕という武器を持っていて、これも足(腕)に見えるので10本となる。10本に見えるので十腕上目(階級はおぼえなくていい)という。
この10本足(腕)の動物をイカというが、身体に貝殻の名残をちゃんと残していて、おいしそうなぼた餅のような姿をしているのがコウイカ(目)の仲間で、スマートで筒状をしているのが、ツツイカ(目)だ。
このツツイカの仲間の、スルメイカやアカイカのアカイカ科と、ヤリイカやケンサキイカのヤリイカ科の最大の違いは眼にありということから。
目玉のおやじのようですけど、イカの眼なのだ
写真は巨大になるアカイカ科のアカイカである。眼球が向きだしで、ビー玉みたいな水晶体が剥き出しになっている。
この表面を引っ張っても皮膜がない。眼が海水中で剥き出しなので、開眼類(亜目)という。
写真はアカイカの目ん玉でビー玉のような水晶体に皮膜を被らず、剥き出しなのがわかると思う。
この開眼類(亜目)と閉眼類(亜目)はかなり上の階級で枝分かれしている。
開眼類(亜目)にはアカイカ科の他に、ホタルイカのホタルイカモドキ科、沖縄でセイイカ、流通上でアカイカと呼ばれるソデイカ科がいる。
次回は閉眼類ヤリイカの眼の写真を上げてみたい。
アカイカは意外に手に入れにくい。これを手に入れていただいた、富山県魚津市、鮮魚丸和さんには大いに感謝します。