コラム

相模湾二宮沖のアジフライ

相模湾のマアジはブランドマアジと変わらない


一週間でいちばんうまいと思った魚貝類料理を、アレコレ考えないで素直に選ぶのが週間トップ ウマスギ GO! GO! である。ここには値段も希少性も含まれない。あまりにもうまいので思わず踊り、GO! GO! となる料理を選んでいる。
12月8日に二宮定置の若い衆におかずである、マアジのお裾分けをしていただく。相模湾のマアジは安定的に味がいいし、水揚げしたばかりでいただいた時点で死後硬直が始まっていない。
ちなみにマアジにブランドはそぐわない。同じ相模湾でも良し悪しがあるし、ブランドマアジと二宮定置のマアジに差があるわけでもない。その意味で、科学的な目を入れた島根県の「どんちっちあじ」には意味があるが、海域でのブランドには首を捻る。
小田原など相模湾の漁業の特徴は、周辺が大消費地で、しかも国内最大の消費地、東京にも近いことだ。当然、鮮度がよければ、その分、高く売れるので扱いもいいのである。
ブランドなどと言うものに惑わされるのがいかに愚かな事か、小田原の水揚げを見ていたらすぐにわかる。

あまりにも魅力的なアジフライ


帰宅して、マアジの刺身でお昼ご飯にしようと思いながら、なぜか身を開いてしまっているボクがいた。鮮度からしたら刺身なのだけど、本当に食べたいのはアジフライなのだ。
しかも小田原から帰ったばかりで疲れすぎている。
水洗いして腹骨・血合い骨をとって塩コショウする。
ペーパータオルにくるんで保存する。
翌昼、勇んでキャベツをせん切りにし、わさび菜をパセリ代わりに飾る。
後はウルトラC級に簡単。
小麦粉をまぶして、溶き卵にくぐらせ、パン粉をつけて高温で短時間で揚げるだけだ。
この国でだれが初めてアジフライを作り始めたのかはわからない。
知り合いの洋食屋は、銀座の煉瓦亭だというが、カツレツ(トンカツ)発祥というのは聞いたことがあるが、アジフライは知らない。ちなみに煉瓦亭のカツレツは飾り気なしで素っ気ないけどうまい。
こんなことを考えている場合じゃない。
アジフライは揚げたてにかぶりつくのがいちばんうまい。
キャベツの座布団に乗せたら、あっと言う間に消えてしまうのがアジフライなのだ。
この座布団の上ののせた揚げたて2枚があっと言う間に消えて、後にはむなしさが漂う。
面白いもので、ご飯のおかずなのに、ご飯をおいてけぼりにするおいしさなのだ。
いつもご飯はソース&キャベツで食べることになる。
二宮定置のみなさんに感謝。


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