島根県産めじを半身買い。血合いで幽安焼き
どす黒い仕上がりだけど味は天下一品
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秋なので「幽安焼き」を作る。
「祐庵焼き」かも知れないが、こんなもんどっちゃでもええ。
柚子を入れると、「柚庵焼き」と書くときもあるので、これでいいのかも。
江戸時代前期の琵琶湖西岸堅田の北村祐庵の名からとったとされている。
とすると琵琶湖発祥ということになる。
それがうなずけるのは、海水魚よりも淡水魚の方が合うところだ。
そんなことはともかくなぜか夏には作らない。
肌寒くなると作り、風がぬるくなると作らなくなるのが「幽安焼き」だ。
さて半日ほど漬け込んだものの水分を拭き取り、焦がさないようにじっくり焼き上げる。
血合いなのでどす黒い仕上がりになる。
見た目よりも香りが素晴らしいとしかいいようがない。
たぶん血合いからうまい液体が調味料と一緒に染み出て、それが焦げたことで放出される香りだろう。
これをおもむろに手で半割にして食べる。
最近、上品さよりも本能の人となり下がっているので仕方がない。
一切れ丸ごと土佐番茶の茶請けとして食べてしまう。
濃厚でしかも、野卑なうまさに、土佐番茶濃い目が合う。
もちろんご飯の友にしてみたが、これだっていい。
日本の発酵調味料は実にご飯泥棒だし、めじの血合いの強いうま味も飯に合う。

ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
イラスト図解 寿司ネタ1年生



