コラム

トラフグのみそ汁が今季フグ始め

銚子産トラフグは鮮度抜群だが野締め

トラフグ

17世紀、江戸の町で松尾芭蕉が食べた「河豚汁(ふくとしる)」はみそ仕立てか塩仕立てなのか? 種はなんだろう? とかいろいろあるが、そんなこととは関係なく、ボクはやたらにフグのみそ汁が好きだ。
潮仕立て(塩味)の汁よりもみそがいいと思っている。ただし年齢ごとに替わっているので、どっちでもいいのかも知れない。
今、愛知県の赤だし(みそ)にどっぷりはまっているので、今季初トラはトラフグの赤だしみそ汁にする。
今季初トラフグは、八王子総合卸売協同組合、マル幸で見つけた銚子産である。のじ(野締めのことで、漁の間に死んだ個体)なのでお買い得である。最近、魚全体の値が上がってきているので安く感じるほどだ。

江戸時代から食べている河豚汁

トラフグのみそ汁

みがいてもらい。身はペーパータオルでぐるぐる巻いて寝かせる。頭部と尾に近いあたり、白子などなどを集めて置いてのみそ汁である。
頭部さえずりやあらは湯通しして冷水に落として霜降りにする。
水分をきって、酒多めと水(さし昆布をしてもいい)でことことと少し長めに煮る。
いいだしが出て来たら赤だしみそを溶いて、さらに少し煮て出来上がる。
松尾芭蕉も食べたであろう、「河豚汁」は多少煮込んでこそおいしい。
濃い目の汁に山椒を落としてすすると、冷え冷えとした夕べに実にうまい。淡泊な身と骨からこんなに滋味豊かな味が生まれる不思議を感じるほどだ。
二人前なので残りを深夜に煮返しての盃一ぱいの酒がこころほぐしてくれる。


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