今季初サンマは根室産16尾
痩せても枯れても高級魚となりにける

サンマ離れをしてしまっていることに気づいたのは、今年最初にサンマを見てもなんとも思わなかったためだ。2018年くらいまでは7月の初サンマを築地の上物屋で1本3千円、4千円出して買っていた。わざわざ築地まで行って買っていたのは、意味があると思っていたためだ。
ここ数年、ボクの初サンマは8月下旬であり、今年の初ものは根室産16尾入り(2㎏で16尾という意味)なので120〜127g前後と去年と同じくスマートだ。
くどいようだがようだが、2018年以前は大型船で取るようになると200g前後が当たり前だったのに、このサイズをここ数年は一本も食べていない。
8月下旬から10月にサンマを選びながら、「これじゃ昔の初サンマじゃねーか」という人がいたが、まさにまさにそうだ。
今年は去年よりも大きいものの、1尾350円は高いと思う。個人的にはサンマは脂だけにはあらずと思っているものの、刺身に引くとやけに身の薄さを感じる。
サンマの味は三陸から北海道の遙か東で盛んにケンミジンコを食べて肥える。きっとこの太平洋域のプランクトンの生産構造が壊れているんじゃないだろうか? これが回遊魚特有の大きな周期によるものなのか? それとも温暖化のせいなのか? 神のみぞ知るってやつだ。
さて、サンマは脂の豊かさよりも、その独特の味が好きだ。だから日本海ものだって昔から見つけるたびに買っている。そろそろサンマも脂ではなく、そのこくというか深みのある味に惚れて買うべきだと思う。
毎年、昔のサンマはよかったね、なんて言う人がいるが無視して食べよう、眼の前のサンマなのだ。